多孔質合成皮革PARMIAⓇは,基布上にポリウレタン多孔膜を設けて,表面に開孔処理を行った銀面調の外観を有する合成皮革である.多孔質の構造を有するため,ソフトな触感に優れ,通気性や透湿性といった多くの特長を有する.東洋クロスではこの合成皮革について,東洋紡快適性工学センターの協力のもと,消費科学的機能の評価ならびに性能の向上を行ってきた. 今回,消費科学フロンティア賞を受賞した多孔質合成皮革PARMIAⓇの商品開発と機能について報告する.
バストは重力により,たわむように変形し,上部の皮膚が伸ばされるという負荷を受けている.「重力に負けないバストケアBra」は,カップ内部に中央付近が本体と分離するシートを持つ構造であり,シートは立位時だけでなく,日常生活で主に着崩れの原因となる前屈時にも対応して機能 する.立位時は,皮膚伸長を抑制して微小重力環境下に近いひずみのない自然なバスト形状に整え,前屈時にはシートの着圧バランスが変わることでバスト形状変化を抑制し,日常生活における重力の影響を軽減することが可能である.
洗浄における確率密度関数法とは,汚れの付着力を標準正規分布,洗浄力を標準偏差σrl,平均値µrl の正規分布で表現する手法である.本論文では,酸化鉄(Ⅲ)粒子,カーボンブラック,ヘモグロビン,油性染料の各汚染布と湿式人工汚染布を試料とし,各種市販洗剤とアルカリ剤の洗浄実験結果を確率密度関数法で解析した.まず5 分間×4 回の洗浄を5 種の洗剤類に対して行い,σrl とµrl を求めた.洗浄力比較のためσrl を固定して20 種の洗剤類µrl を求め,pH,界面活性剤濃度,表面張力等との相関性を求めた.結果,酸化鉄,カーボンブラック,油性染料は界面活性剤濃度と正の,表面張力と負の相関性を示し,ヘモグロビンと湿式人工汚染布はpH と正の相関を示した.また各洗剤類の洗浄特性を把握するのに有益なデータを得ることができた.よって,確率密度関数法は市販洗剤の洗浄性能の特徴を把握するのに役立つツールになり得ると考えられる.