前報と同様の方法で調整したレーヨン, アセテート, ビニロン, カシミロン, 羊毛, 絹, ナイロン, テトロンの照射シリコーン織物の諸特性の検討を行なって, 次の結果をえた.5回のドライクリーング後の防水耐久性は, テトロン, ナイロン, 絹は1Mrad以下, アセテート, ビニロン, レーヨンは1~3Mradのγ線照射で得ることができた.摩擦試験後の防水耐久性については, 1.7Mradの照射でえられたいずれの繊維の照射シリコーン織物も, 綿布の場合よりすぐれていた.Bundesman法防水度の測定においては, 各種繊維の特性によって防水効果の差が認められた.
引張り強さについては, テトロン以外は照射線量の増大にともなって減少したが, 照射シリコーン織物はいずれも照射線量の増大にともなって, 引張り強さの渡少が認められた.本実験の結果, テトロン, ナイロン, 絹については1~2Mradの照射によって, 実用的にすぐれた防水加工布がえられた.
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