私共の衣生活の中でとみに需要の多くなった, ニットウェアの湿式洗たく法による影響をみるために, 特に最近のウールサイクルのついた電気洗たく機の機械作用をテストするため, 市販の婦人セーター20枚を例にとり延べ200時間着用し, 着用実験中10回の洗たく, 乾燥の繰返しを行ない, 日常の消耗過程を重視した実用テストによる評価 (伸縮, 変形, 形くずれ, 毛羽立ち, ピリング, 変退色など) を試みた.
その結果, 防縮加工なしセーターの手洗い法と電気せんたく機法 (ウールサイクル使用) による比較は, 手洗いの方が評価はすべて良好であったが, 洗たく機洗いもまだ伸縮は自在でこの程度なら両者の間に著しい差はないことがわかった.防縮加工セーターの電気洗たく機洗いによる影響は, 伸縮, 変形, 形くずれも少なく10回洗たく後の毛羽立ち, ピリングもなく, 目立った風合い及び表面外観上の変化もなかった.したがって防縮加工の羊毛編物製品は, 今後家庭において電気洗たく機 (ウールサイクルのついた) で, 安全に洗たくすることができることが, たしかあられた.
抄録全体を表示