(1) 經3.1cm, 長さ40cmのガラス圓筒により積雪を採取し, 一方からおし出して雪梁を作り共の曲げ強度を求め是と, 硬度, 密度, 抗剪力とを比較した。
(2) 曲げ強度として求めた雪梁の最大垂直應力は硬度と曲線的關係があり
y=18.7e
0626xの實驗式が適用し得る。
(3) 最大垂直應力は密度, 抗剪力とは大した關係は認められぬが, 是等との關係より, 密度0.25附近に積雪の應力が一時急減する點がある様である事が認められる。
(4) 最大垂直應力は密度の大きなザラメユキでは變化多く, 含水量に左右されるものゝ樣で, 雪質の一因子として用いられそうである。
(5) 本測定性により求めた引張應力は積雪の粒子内を結ぶ橋の應力を表わすものと考えられ, 積雪の粒子構造の研究及他の力學的諸性質との關連性を追求することにより, 更に研究を進める必要がある。
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