寒冷地帯における土壌凍結深, とくに凍結経過中の最大値 (最大凍結深) は, 鉄道・道路などの工事, 農耕・植生などの関係において重要な指標の1つである, 従来使用されている凍結深計として, メチレンブルー水溶液を封入した樹脂製の透明管を土中に挿入しておいて, 凍土層に接した部分の水溶液が凍結して変色 (脱色) することを利用したものがあるが, この変化は可逆的であるため, 最大凍結深を知るためには, 凍結期間中に頻繁に現地に赴いて, 計器を土中から取出して凍結深を読みとる必要がある. これに対して, 表題の凍結深計は, 凍結開始前に一旦設置しておけば, そのまま放置しておいて, 春になってからはじめて現地に赴いて凍結深計を土中から取出して, 凍結経過中の最大値を付属の目盛によって直読できるものである.なお経過中の凍結深を知るためには, そのつど現地に赴いて計測できるのは, 従来の凍結深計と同様である.この報告は, 表題の凍結深計の紹介と実地試験結果について述べたものである.
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