雪氷
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41 巻, 2 号
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  • 剣沢圏谷, 多年性雪渓はまぐり雪の規模の変動
    樋口 敬二, 大畑 哲夫, 渡辺 興亜
    1979 年 41 巻 2 号 p. 77-84
    発行日: 1979/06/30
    公開日: 2009/09/04
    ジャーナル フリー
    飛騨山脈, 劔沢圏谷中の“はまぐり雪”の規模の変動について, 1967年から1976年に至る10年間の観測結果を報告する.雪渓規模の指標として, 水平投影面積, 体積, 長さ, 厚さを用い, それぞれの10年間の変動を示した.雪渓規模は1968年と1974年に拡大のピークを示し, 1971年に最も縮小している.これら拡大および縮小の傾向は経年的に変化している.
  • 井上 治郎, 中島 暢太郎
    1979 年 41 巻 2 号 p. 85-88
    発行日: 1979/06/30
    公開日: 2009/09/04
    ジャーナル フリー
    近畿北部の各地の積雪資料から, 山地と平地の最大積雪深の年変動を調べてみると, どの地域でもよい対応がみられるが, 山地の積雪量の変動は非常に振幅が大きく, 寡雪の年は平地とほぼ同じオーダーにおちこむ.また琵琶湖西部山域での積雪調査から, 積雪相当水量の高度変化は, 山地の海岸からの距離によって減少することが見出された.さらに伊吹山頂の積雪資料から, 積雪の消滅する時期は, 最大積雪深と, 融雪期の気温から推定されることがわかった.
  • 上田 豊
    1979 年 41 巻 2 号 p. 89-90
    発行日: 1979/06/30
    公開日: 2009/09/04
    ジャーナル フリー
    鳥取県の大山北面, 高度1,300m地点に越年雪があることを確認した.これは, 日本の越年雪の南限とおもわれる.ここに越年雪が生じた主因は, 雪崩によって集中的に堆積した雪の表面を, 崩壊の激しい山壁から落下した岩屑が厚くおおって雪の消耗を抑制したことによると考えられる.
  • 対馬 勝年, Charles F. RAYMOND
    1979 年 41 巻 2 号 p. 91-99
    発行日: 1979/06/30
    公開日: 2009/09/04
    ジャーナル フリー
    前報 (蒸留水中の雪の粗大化) に引き続き, 水溶液 (ブドウ糖, NaCl, HCl, デキストランの各溶液) 中での粗大化を調べた.雪粒の平均粒径rは水に浸してからの経過時間tの3分の1乗に比例し, 平均体積は時間に比例して増大した.粗大化は溶液濃度Sが大きいほど, また拡散係教Dが小さいほど遅くなった.
    雪粒の曲率による融点降下および雪粒の成長・融解による溶液内の濃度分布をもとに, 熱伝導と拡散の式から導いた雪粒半径の成長速度
    dr/dt=1/1+ρkwS/ρiLD・2akw/ρiL・1/r2
    (ただし, ρはモル氷点降下, kwは溶液の熱伝導率, ρiは氷の密度, Lは氷の融解潜熱, aは氷と水溶液の界面エネルギー) は実測値とよく一致した.このことから, 粗大化は前報と同様, 平衡温度の高い雪粒 (大きい雪粒) から平衡温度の低い雪粒 (小さい雪粒) への熱の流れによって雪粒が成長および融解・消滅するためと考えた.また不純物は熱の流れを妨害するので粗大化を遅くする.
    水溶液に浸した雪の硬度は時間の経過とともに急速に減少するが, 純水中のものにくらべると変化が遅かった.
  • 小玉 正弘
    1979 年 41 巻 2 号 p. 101-107
    発行日: 1979/06/30
    公開日: 2009/09/04
    ジャーナル フリー
    宇宙線雪量計, すなわち, 宇宙線の積雪による吸収を利用した積雪相当水量測定の精度と, それに関連する基本的諸問題について述べる. この方法による積雪水量絶対値の推定にとって重要なのは, 宇宙線に及ぼす積雪以外の環境変化の影響である.これらについて定量的に検討し, 土壌水分変化以外は, 結果的には本質的な測定誤差をもたらさないことを示す.
  • 小玉 正弘, 中井 雄章, 熊無 二朗, 鴨田 福也, 佐藤 清一
    1979 年 41 巻 2 号 p. 109-114
    発行日: 1979/06/30
    公開日: 2009/09/04
    ジャーナル フリー
    1977年12月から翌年5月まで, 宇宙線雪量計を用いた積雪水量の連続観測を, 岩木山, 高田, 有峰の3地点で実施した.得られた積雪水量の逐日変化が, スノーサンプラー, ガンマ線雪量計など既存の方法による値と極めて良く一致することが示される.これに関連して融雪速度などについて考察し, 本測定法が従来法と同等の重みを持つことを示す.又, 宇宙線雪量計検出部からの信号の電送, 記録方式の実際についても述べる.
  • 小玉 正弘, 弘田 茂美, 眞水 貞宣, 小出 好夫, 平野 文雄
    1979 年 41 巻 2 号 p. 115-120
    発行日: 1979/06/30
    公開日: 2009/09/04
    ジャーナル フリー
    実用測器としての宇宙線雪量計の汎用性を高めるため, 次の諸点を目的とする新しい型の雪量計を製作した.
    1) 山岳地など無給電地区でも利用しやすいよう, できるだけ消費電力を押えること.
    2) 積雪相当水量を直読式または直視式とすること.
    3) 輸送, 設置, 保守に便利であること.
    この結果, 検出部の消費電力は30mWに押えられ, 1時間ごとの積雪相当水量をセンチメートル単位で印字することができた.
  • 湖氷の氷紋噴出孔生成機構に関する実験的研究
    東海林 明雄
    1979 年 41 巻 2 号 p. 121-130
    発行日: 1979/06/30
    公開日: 2009/09/04
    ジャーナル フリー
    氷を融点に保てば, 3つの単結晶が接する粒界三叉交線が融けて, その部分が水脈 (水管) になると考えられている.しかし, このことは光線の照射がある場合や, 不純物の影響が顕著な場合以外は実証されていない.そこで, この存在を実証すると共に, その水脈を通って, 水が流動し得るか, 水脈の太さは経過時間と共にどのように変化するかなどを実験的に調べた.
    蒸留水氷を長時間融点に保ち, 水脈の発生と, その水脈を通っての水の流動を確認すると共に, 融点に保ち始めてからの経過時間t (h) と, 水脈の平均直径D (μm) の拡大との関係を調べた.その結果, 水脈のおよそのサイズを与える実験式D=2.61t0.56を得た.なお, 不純物氷 (水道水氷および湖氷) を用いて, 同様の実験を行った結果, 水脈の太さに不揃いを生じること, 並びに, 水脈の太さの拡大速度が, 蒸留水氷の場合より著しく大きいことを確めた.また, 光線の照射が水脈の太さの拡大を促進する効果を調べた.そして, 湖氷に見られる放射状氷紋 (本文の写真1~4) の形成状態との対応について考察した.
  • 石川 政幸, 渡辺 成雄, 大関 義男
    1979 年 41 巻 2 号 p. 131-141
    発行日: 1979/06/30
    公開日: 2009/09/04
    ジャーナル フリー
  • 斎藤 新一郎
    1979 年 41 巻 2 号 p. 143-145
    発行日: 1979/06/30
    公開日: 2009/09/04
    ジャーナル フリー
  • 中村 勉
    1979 年 41 巻 2 号 p. 147-148
    発行日: 1979/06/30
    公開日: 2009/09/04
    ジャーナル フリー
    A comparison on three features of snow cover, i.e., type, layer structure and depth was made around the end of January in 1974 at five places in Japan, that is, Sapporo, Shinjo, Yamagata, Fukui and Mt. Zao.
    As shown in Fig. 1, snow type changed with latitude among the four cities : namely, that the lower the latitude, the higher the thickness percentage of granular snow layers in other words, snow cover in high latitude mainly consisted of depth hoar and settled snow, and that in low latitude of granular snow. At the intermediate latitudes, settled snow and granular snow formed the snow cover. The maximum snow depth was found in Shinjo among the four cities.
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