雪氷
Online ISSN : 1883-6267
Print ISSN : 0373-1006
43 巻, 4 号
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  • 梶川 正弘, 保坂 菜生子
    1981 年 43 巻 4 号 p. 201-205
    発行日: 1981/12/30
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    これまでほとんど報告されていなかった,天然のコップ型雪結晶が,秋田県の八幡平山麓とカナダ北極圏のイヌヴィック(Inuvik)で3例観測された.それらは,写真3-5に示されている.
    コップ型雪結晶は,同型の霜のX線回折による結晶構造観察(Mason and Owston,1952;水野,1971)に基づき,全体が一個の単結晶で,c軸はコップの中心線方向と一致し, a軸は上部が六角形に開いた側面の横縞の方向と一致すると考えられた.
    また,コップ型雪結晶3例に共通する成長条件は,Ta-sダイヤグラム(Nakaya,1954)を作成することにより,気温約-21℃,飽和度約118%と推定された.成長条件の類似性より,今回観測されたコップ型雪結晶は,人工雪(Nakaya,1954)における,初期状態のコップ型結晶に対応するものと考えられる.
  • 高志 勤, 生頼 孝博, 山本 英夫, 岡本 純
    1981 年 43 巻 4 号 p. 207-216
    発行日: 1981/12/30
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    凍上性が大きく異なる4種類の試料土を用いて凍上力実験を行なった.実験の装置及び方法は前の論文(高志・他,1979a)と同じである.
    Radd and Oertle(1973)や著者等(高志・他,1979a)は,凍上力σuが冷却面温度θcだけの関数であり両者に直線関係があることを示した.しかしながら,この関係がθcの低下につれてどこまで成立するかという興味ある課題が残っていた.本実験の結果から,σuとθcは,θcが比較的高い範囲では直線関係にあるが,θcの低下に伴なってσuは直線から外れて最終的には一定値に収束することが明らかとなった.これはσuの最大値であって最大凍上力σu maxと呼ぶべきものである.σu maxの値は土の種類によって決まる固有値として与えられ,爼橋粘土では300kgf/cm2以上,根岸シルトは130kgf/cm2,七尾シルトは30kgf/cm2,豊浦砂では4kgf/cm2であった.σu maxはθcに依存せず凍土中の不凍水から成る通路が閉塞する温度θcritに支配され,σu maxとθcritとの間には拡張したClausius-Clapeyronの熱力学式が成立する.このことは,θcがθcritよりも低い場合には凍土中ではアイスレンズがθcritの部分で成長し,それ以下の温度の部分ではアイスレンズが発生しないという観察結果からも裏付けられた.更に,アイスレンズの発生領域が凍土中の温度と有効応力及びθcritとから明確に定めることができる.
  • 御神楽岳を中心として
    下川 和夫
    1981 年 43 巻 4 号 p. 217-223
    発行日: 1981/12/30
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    アバランチ・シュート(avalanche chute)における雪崩侵食量を知る目的で,雪崩デブリに含まれる岩屑量の計測を行った.1974年から1981年にかけて,越後山地北部.御神楽岳を中心に8ケ所でのべ18回の測定を行った結果,つぎのことがわかった.
    1)雪崩デブリに含まれる岩屑量は,単一の雪崩デブリあたり10-2~100m3,平均で0.72m3であった.
    2) 岩屑の体積を雪崩道の面積で割って得た斜面の平均侵食深は,10-3~10-1mmである.
    3)雪崩常襲斜面であるアバランチ・シュートの侵食深は,火山斜面や伐採跡地など,厚い風化物質に覆われた斜面に発生した雪崩の値にくらべ,1桁から4桁も小さい.
  • 福江 正治, 山下 皓一, 恵本 克利
    1981 年 43 巻 4 号 p. 225-229
    発行日: 1981/12/30
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
  • 人工建造物と海氷との相互作用
    中尾 正義
    1981 年 43 巻 4 号 p. 231-238
    発行日: 1981/12/30
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
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