土の凍結過程で, 熱と水とは関連して流れる.凍土中の不凍水の存在と, その不凍水の凍土内での流れという新しい実験事実を導入して, 熱と水とが結合して流れるという凍上のモデルが提示された.それは凍土中の不凍水分量が温度の関数として決められることから, 凍土内の不凍水の動水勾配が温度勾配に依存する点で, 熱と水の流れを結合している.
このモデルを検証するため, 熱と水の流れの式を適切な初期および境界条件下で数値解析手法で解いた.結果の比較は, ガンマー線水分計を用いて行われた実験結果に基づいている.凍土および未凍土の熱伝導率, 水分拡散係数というパラメーターは, 実測と適切な推定によって得られた.結合に必要な不凍水分量も, 実測による温度を関数とする実験式で決定された.数値解析の結果は実測結果とよい一致がみられた.ここで提示したモデルは, 不飽和無載荷重状態の土の凍結現象に適用可能なことが検証された.
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