鉄道車両が降積雪中を走行するとき, 軌道のフランジウェイには圧雪が発生・成長する.このフランジウェイ圧雪が車輪フランジに加える力の列車速度依存性を究明するに必要なデータをうることが本実験の目的である.
フランジウェイ圧雪と車輪フランジウェイ問で起っている力と速度の関係を解析し, この結果から2種類の実験装置, すなわち, 周速度2~60m/sで回転している円板に試料を押し付ける回転板/板式装置と, 車輪フランジに類似した形状の貫入体 (模擬フランジ) を固定した錘を, 試料に速度4.8~17.5m/sで衝突させる構造の落錘式装置を設計・製作した.この装置を用いて, 人工圧雪と自然積雪から採取した試料の破壊実験を行った.
模擬フランジの試料への進入量を分割し, 模擬フランジが試料からうける力の各進入区間の平均をとり, この値を雪の反抗値と称した.反抗値と模擬フランジの進入速度, 進入量, 雪の密度, 温度, 周囲拘束状態との関係を考察した.模擬フランジの進入速度Vが4.8~15.8m/sのとき, 反抗値
F (最大380kN/m) はVの一次式
F=
a+
bVで表され, 係数
a,
bは試料の密度, 温度, 雪質, 周囲拘束状態, 進入量の5個のパラメータによって定まることがわかった.
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