都市内の雪を, ポンプ・配管系により, 都市外に排除するシステムを開発する目的で, 雪を, 水と混合して, 配管系に押込む装置の研究を行った.試作し, 試験した装置は, タービン羽根を回転して, 雪と水を混合するタンクと, これを吸引して配管系に押込むポンプとからなる.限界固相率, すなわち与えられた撹伴条件のもとで達成される最大の雪の混合分率, 羽根の回転に要する雪の単位質量あたりの動力, タンク内と輸送管内の雪の固相率の変化などが装置の性能に関係する重要な因子であることが分った.そこで, これらの因子にに及ぼす, 装置の主要寸法および運転条件の影響を実験的に調査した.
限界固相率を高く, 所要動力を少くすることから, つぎのような結論を得た. (1) 混合タンクの直径 (
D) と撹伴羽根の直径 (
d) は
D/d=25が最適である. (2) 羽根直径が与えられると, それに最も適した混合体の体積 (
V) がある.たとえば
d=200mmで
V=0.1m
3であった. (3) 羽根の回転速度は, すべての実験を通じて, 600r.p.m.が最適であった.
雪の固相率を高くしたときのポンプの効率と揚程の変化を調べた.たとえば20%の固相率に対して, 効率および揚程の低下は清水にくらべ, 約15%であった.これより, 通常のスラリーポンプが雪の押込みに利用できるという結論を得た.
抄録全体を表示