雪押込装置の開発および雪の分率測定方法の改良により, 円管内の雪水二相流について精度の良い安定した実験が可能となった.これらを用いて, 雪水二相流の流れの状態と流速
Um, 雪の分率
C, 管径
D, 雪質, 管の姿勢の影響を調べた.流れの観察から, 雪水二相流の流れの状態は, 概略 (1) 塊状流れ (Cluster Flow), (II) 均質混合相中に雪塊が浮遊する流れ, (III) 均質流れ (Homogeneous Flow), (IV) 柱状流れ (Cylindrical Flow) に分類される事がわかった.このうち,
Um,
Cともに小さい場合に見られる塊状流れおよび
Cが大きい場合の柱状流れは, プラスチックビーズのような互に付着しにくい固体粒子を固相とする固液二相流には見られない, 雪水二相流に特有の流れである.
これらの流れの状態はほぼ流速
Um, 雪の分率
C, 管径
Dにより決り,
C, とフルード数
Frにより一般的に表される事が示された.雪質および管の姿勢は流れの状態にあまり強く影響しなかったが, 概略次のような傾向が見られた.新雪はざらめ雪よりも混合されにくく, 従ってざらめ雪の場合には均質流れとなる
Frにおいても新雪の場合には塊状の雪が存在した.また新雪の場合の方がより小さい
Cの値で柱状流れとなった.管が水平の場合, 塊状流れにおける雪塊は鉛直管の場合より管軸方向に伸びた形となり, 管の上壁寄りを移動した.均質流れおよび柱状流れに対しては管の姿勢による影響は見られなかった.
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