密度0.079~0.302g/cm3の乾き雪を0℃の水に浸し, 水潤時間3~15分のベーンせん断強度の測定を行った.
水に浸した雪のベーンせん断強度は, ほぼ乾き密度0.2g/cm3を境にして, それ以下の密度の雪については水潤時間の経過とともに増加したのに対し, それ以上の密度では減少した.これらの値を水潤前の値と比較すると, こしまり雪およびしまり雪では, 水潤後3分ですでに水潤前の値を下回ったのに対して, 新雪の場合は, 水潤後3分で水潤前の値を上回り, 15分後には水潤前の値の2~4倍にまで達した.水潤時間3分でのベーンせん断強度τ
v (kPa) と乾き密度ρ
d (g/cm
3) の間に,
τ
v=83.8ρ
d2.23の関係が得られ, 水に浸した新雪の高さが水潤後縮小することによって, 低密度雪の強度の増加を説明した.
抄録全体を表示