サイクロン型吹雪計に捕集した吹雪粒子の種々の条件下における昇華量を, 熱収支の原理に基づき理論的に計算し, さらに気温・相対湿度・風速を制御した低温室内において昇華量の測定実験を行った.
理論計算によれば, 吹雪計内部に貯った雪の昇華量は気温, 顕熱の輸送係数 (水蒸気の輸送係数にほぼ等しい) とともに増加するが, 相対湿度の増加にともなって直線的に減少する.このような傾向は昇華量の測定結果と一致した.
測定された昇華量から, 吹雪計内部の雪の顕熱および水蒸気の輸送係数を求めた.輸送係数は外部風速とともに増加するが, 気温, 相対湿度, 吹雪計内部に貯った雪の深さにほとんど依存しない.
この輸送係数と外部風速の実験的な関係をもとに, 吹雪計内部に捕集した吹雪粒子の昇華量を, 気象条件 (気温, 外部風速, 相対湿度) から簡便に知るためのチャートを作成した.
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