雪氷
Online ISSN : 1883-6267
Print ISSN : 0373-1006
53 巻, 4 号
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  • 力石 國男, 大西 健二
    1991 年 53 巻 4 号 p. 281-289
    発行日: 1991/12/30
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    青森市内11ヶ所の毎時の降雪量データ(期間は1987年12月∼88年3月)を解析して,基準観測点の降雪量と相関の高い領域が,青森市の平均的な風の方向に沿って分布していることを示した.また,青森県内127ヶ所の日降雪量データ(期間は1979∼85年の1∼2月)を解析して,代表的な観測点に対する相関係数の分布から雪雲の平均的な移動経路(上空の風)を推定した.雪雲は県内全般に西風によって運ばれているが,青森市周辺では八甲田山系を迂回する風により,また,津軽半島北部では津軽山地の影響による北西風によって運ばれている.これらの上空の風は,アメダスによる地表の風の観測値と大体一致している.一方,弘前,黒石などの津軽平野南部では,雪雲は岩木山を迂回する北西風によって運ばれるものが多い.
  • 松田 正宏
    1991 年 53 巻 4 号 p. 291-295
    発行日: 1991/12/30
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    スギ二段林内の積雪状態と下層木の雪害実態を調査し,次の知見を得た.
    (1)二段林内の積雪状態は極めて多様で林孔中心部付近では林外積雪深よりかなり多く,上層木の樹冠投影内では少ないことが明確になった.こうした状態は降雪の吹溜り現象や上層木の樹冠の状態によって生ずると考えられた.(2)下層木の生長量はその位置の積雪深が大きいところほど多く,小さいところほど少ない傾向にあった.このことから,林内積雪深が樹下植栽の位置決定の判断要因になり得ることを指摘した.(3)二段林内の下層木の雪害は,同じ大きさの一斉林に比較して少なく,二段林内でも上層木の樹冠投影内の下層木は投影外のものよりさらに雪害が少なかった.このことから,二段林内の下層木は雪害に耐性があると考えられた.
  • 福嶋 祐介, 吉永 一義, 早川 典生, 岡村 康一
    1991 年 53 巻 4 号 p. 297-307
    発行日: 1991/12/30
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    本論文は、流雪溝の流雪能力と雪混入に伴う水深増加率について,水理学的手法を用いて主として解析的に取り扱ったものである.解析では雪水二相流の考えに基づき,雪相と水相とに分けて,それぞれの相での連続式,運動量式をたてた.この中で新しい考え方として,水が雪層の中の水みちを通り,そのために過剰なせん断力が作用するという考えを導入した.本解析により,雪層の移動限界,水深増加率,流雪能力についての理論式が得られた.本理論の妥当性を検討するため,木片を用いた流雪溝の模擬実験を行った.これにより得られた,模擬雪塊の移動限界,水深増加率の実験値を理論と比較した結果,理論が実験値の概略を説明することを示した.
  • 竹内 政夫, 松沢 勝
    1991 年 53 巻 4 号 p. 309-315
    発行日: 1991/12/30
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
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