雪氷
Online ISSN : 1883-6267
Print ISSN : 0373-1006
56 巻, 4 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 寺田 秀樹, 大浦 二朗, 須原 茂
    1994 年 56 巻 4 号 p. 315-323
    発行日: 1994/12/15
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    ファジィ理論に基づく可能性線形回帰分析を表層雪崩の到達危険度評価に適用することを試みた.可能性線形回帰分析は,基本的には通常の多変量線形回帰分析と同じであるが,得られるモデルの回帰係数がある幅を持ったファジィ数であることだけが異なる.すなわち,与えられたデータのもつあいまいさに見合うように解をある幅を持った形で求めようとしたものであり,主観的判断の含まれるような問題をモデル化する場合に非常に有効な手法である.
    本検討では,見通し角を目的変数とした可能性線形回帰分析を行い,見通し角に及ぼす各種要因の影響度を調べて検討する過程で,2ケースのモデル(9要因の場合,最適要因による場合)を構築し,それぞれのモデルの要因について考察を行った.それによれば,表層雪崩の見通し角に影響する主要因は雪崩の規模を表す要因と流下する斜面の状況に関する要因(とくに,斜面長)であるという結論が得られた.
  • 山本 英夫, 上田 保司, 伊豆田 久雄
    1994 年 56 巻 4 号 p. 325-333
    発行日: 1994/12/15
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    飽和土の凍結膨張特性に及ぼす各方向の応力の影響を調べる目的で,熱流方向の拘束応力σ1及び熱流と直角方向の拘束応力σ3を任意に与える開放型の凍上実験(三軸凍上実験)を行った.凍結膨張は,熱流方向だけでなく,熱流と直角の方向にも起こり,各方向の凍結膨張はσ1,σ3に依存した.σ1が増加すると,熱流方向の凍結膨張率ξ1は減少し直角方向の凍結膨張率ξ3は増加したが,σ3が増加すると,ξ1は増加しξ3は減少した.また凍結膨張率ξvは,σ1またはσ3の増加によって減少したが,あるσ1,σ3以上では減少しなくなる傾向が見られた.ξ1,ξ3各々について,σ1,σ3の関数形として表される実験式で,実験結果を整理する事が出来た.この実験式においてξ3を0とすると,別に行った従来のシリンダーに収納する凍上実験(一軸凍上実験)の結果と良く一致した.
  • 第3報流雪溝端末処理装置
    梅村 晃由, 中村 和範, 東 信彦, 小川 義弘, 渋谷 満, 早川 典生
    1994 年 56 巻 4 号 p. 335-340
    発行日: 1994/12/15
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    流雪溝とパイプ輸送を組合わせた雪の水力輸送システムを開発するため,流雪溝で送られてきた雪塊を砕いて水と混合する羽根の形状と大きさ及び回転数を検討した.その結果,改良草刈り型羽根が良い特性を有し,この羽根を用いた時の雪水流量比は,ほぼ,Rs=1.74×10-4・N/Frで表され,この式を用いることで,通常の流雪溝に対する羽根の直径と回転数が決定されることが分かった.ここで,Nは羽根回転数,Frは水の速度を重力加速度と水深の平方根で除したフルード数であり,0.2から0.4の範囲をとる.
  • 大野 宏之, 大畑 哲夫
    1994 年 56 巻 4 号 p. 341-351
    発行日: 1994/12/15
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    大陸性氷河における蒸発量,融解量,再凍結量を通年(1992年5月14日~1993年5月13日)にわたって熱輸送数値モデルと気象データから計算した.その結果,タングラ山脈Xiao Dongkemadi氷河の平衡線付近では,融解期に74±10mm,非融解に46±14mmの蒸発が推定された.この地点では年消耗量の約10%が蒸発によると推定される.より乾燥した気候下の西コンロン山脈Chongce氷帽の末端付近では,この割合は30%以上と推定される.湿度が低い条件下では,氷河が受け取る熱量は増えるが,消耗量は減少することが数値実験から示された.大陸性氷河には非融解期に氷河氷が露出するものがあるが,その場合蒸発量は3∼5倍に増加する.氷の露出は引き続く融解期の内部涵養も妨げる.気象要素によって,蒸発量に強い影響を与える季節は異なる.水蒸気圧のそれは融解期で,日射量のそれは非融解期である.これは,蒸発が与えられる熱量と拡散のための環境の二つの条件により律速されていると考えることで理解できる.Xiao Dongkemaidi氷河の日蒸発量は春と秋に1~1.5mmの極大を示すが,緯度や乾燥度が違う氷河では,秋の極大が無い季節変化や春の極大が遅い季節変化も考えられる.
  • 中辻 隆, 萩原 亨, 藤原 隆, 加来 照俊
    1994 年 56 巻 4 号 p. 353-361
    発行日: 1994/12/15
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    時間的空間的に大きく変動する峠部の冬季の路面状態を予測するために,路面状態の実態観測を行うととももに,GMDH(Group Method of Data Handling)モデルと階層型ニューラルネットワークモデルの2つの統計的モデルを改良して路面の摩擦係数を予測することを試みた.これらのモデルは,少ないサンプルデータで高次の非線形構造を表現できるとともに,学習能力に優れていることを特色としている.GMDHにおいては,数量化I類と重回帰分析を組み合わせたモデル構造を提案し,天気や除雪の有無などの質的データを取り扱うことができるようにした.また,ニューラルネットワークモデルにおいては,路線全体のデータと各地点ごとのデータを分離して与えるマルチ入力型の多層階層モデルを提案した.これによって各地点の局部的な要因を考慮できるようにした.峠部20km区間において1kmごとに2時間先の摩擦係数を予測し,両モデルとも70数%の予測精度を得た.
  • 対馬 勝年
    1994 年 56 巻 4 号 p. 363-364
    発行日: 1994/12/15
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
  • 小泉 謙, 成瀬 廉二
    1994 年 56 巻 4 号 p. 364
    発行日: 1994/12/15
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
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