雪氷
Online ISSN : 1883-6267
Print ISSN : 0373-1006
61 巻, 5 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
  • 阿部 修, ランド デッカー, ブレント センソィ, 五十嵐 高志, デビッド リアム, ブルース トレンパー
    1999 年 61 巻 5 号 p. 369-375
    発行日: 1999/09/15
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    近年開発された複数のセンサーを持った新世代ラムゾンデは,赤色光による積雪の拡散反射率,コーンに対する貫入抵抗力およびコーン周辺の電気伝導度を同時に測定するものである.このゾンデの野外試験により,雪崩予報のための弱層の検出,積雪層構造の追跡,および雪質の判定が可能であることが判明した.しかしながら,シャベルテストで検出された肉眼では観察されないようなごく薄い弱層は検出不可能であった.
  • 卜藏 建治
    1999 年 61 巻 5 号 p. 377-384
    発行日: 1999/09/15
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    青森県内で降雪量のデータの得られる市町村で除雪予算,除雪道路延長と世帯数から各市町村の雪対策の程度を比較検討するために克雪度(円・cm-1・(m/世帯)-1)を提案した.克雪度とは各自治体の生活道路において単位降雪量(cm)に対し世帯間の道路長(m/世帯)にいくらの除雪費(円)を負担しているかを示すものである.なお,期間に依存する量として「除雪費」は年度の機械除雪費,「降雪量」は同年度の12~3月の累計降雪深であり,また「世帯間の道路長」とは国道・県道などの幹線道路を除く生活道路の世帯間の平均道路長である.
    高層住宅の目立つ都市部では除雪の予算規模が大きくなる,一方で世帯間の道路長は短くなるので単位道路長に投下される金額は大きくなり,克雪度が上がる.過疎地では予算規模が小さいのに世帯間の道路長が大きいため,単位道路長に投下される金額は小さく,克雪度は上がり難い.こうした自治体では除雪予算額を格段に増やすことが困難だとするなら,世帯間の道路長を短くする対策として,集落再編を検討する必要もあろう.克雪度の差異が豪雪地帯における生活,福祉などとどのように関係しているかについては今後の研究を待つ.
  • 藤井 俊茂, 岡田 勝也, 梶山 博司, 飯倉 茂弘
    1999 年 61 巻 5 号 p. 385-395
    発行日: 1999/09/15
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    ヒートパイプを用いた鉄道トンネル覆工用のつらら・凍上防止工を開発した.この工法を評価するため,実物トンネルに試験体を設置し,冬季間のトンネル内気温,覆工周辺の温度などを実測した.その結果,ヒートパイプを用いたこの工法は,トンネル覆工表面温度を氷点以上に保持する機能を有することから,つらら・凍上防止対策として有効であることが判った.さらに,ヒートパイプ,トンネル内空,覆工と地山からなる一次元非定常熱伝達・熱伝導モデルを提案し,ヒートパイプの熱輸送数値シミュレーションを行なった.シミュレーションの結果,提案したモデルは温度の実測結果を十分反映できるものであることが判った.
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