雪氷
Online ISSN : 1883-6267
Print ISSN : 0373-1006
61 巻, 6 号
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  • 安留 哲, 荒川 政彦, 前野 紀一
    1999 年 61 巻 6 号 p. 437-443
    発行日: 1999/11/15
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    回転式の摩擦測定機を製作し,低温室(-1℃,-5℃,-12℃,-27℃)で低速度領域(10-1~10-4m/s)における氷・氷の摩擦測定を行った.氷表面温度-12℃,垂直応力2.9 kPaにおける氷・氷摩擦係数は,速度を10-1m/sから10-4m/sまで減少させるにつれて,0.01から0.15まで増加した.温度が-1℃の時の結果は,絶対値も速度依存性も-12℃の結果とほぼ同じであった.一方,温度が-5℃では,摩擦係数の値は全体的により小さく,-27℃では,全体的により大きくなる傾向が得られた.測定を行った垂直応力範囲(2.9~6.8kPa)において,摩擦係数の大きな変化は見られなかった.温度-12℃,速度10-4m/sと,-27℃,10-3~10-4m/sでは,スティック・スリップが観測された.
  • 宋 保銀, 稲葉 英男, 堀部 明彦, 高橋 敬
    1999 年 61 巻 6 号 p. 445-455
    発行日: 1999/11/15
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    本論文は,傾斜した屋根上への積雪防止に流下水膜を利用した場合の研究成果を述べたものである.水膜を乱流とし,その上の降雪を含む大気を,0℃以下の飽和蒸気の層流として数値解析した解析モデルを誘導した.様々な因子の熱伝達や水膜温度降下に及ぼす効果が研究された.その結果,傾斜した屋根上の積雪防止に流下水膜を用いることが有効であることを解明した.水膜温度降下,水量,屋根の長さや傾斜角そして降雪強さ,大気温度および風速が融雪に重要な役割を及ぼすことを定量的に明らかにした.これらの諸因子の屋根上積雪防止に関する限界条件を見い出した.さらに,水膜の熱伝達に関する無次元整理式の誘導にも成功した.
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