地下水を節約する新しい消雪パイプシステムは降雪強度計で測定した降雪強度に応じた散水量に調節し,くみ上げる地下水の総量を少なくしようとするものである.この新しい消雪パイプを可能にするためには,制御システムの低廉化を計る必要がある.特に流量計は一般的に高価であるため,より安価な流量測定装置の開発が望まれる.本研究では,消雪パイプ全体を1つのシステムと捉え,水理学的な解析を行うことにより,揚水ポンプの下流で測定した圧力計によって,流量を測定する方法を開発した.この方法では,1つの実験定数が含まれるが,流量計で測定した流量と圧力の測定値を用いて,その係数を決定する方法を示した.さらに,この新しい流量測定法により消雪パイプの制御システムの検討を行った結果,超音波流量計と変わらない精度でシステムの制御を行うことができることを示した.
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