雪氷
Online ISSN : 1883-6267
Print ISSN : 0373-1006
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論文
  • 高崎 仁義, 伊藤 潤, 佐野 可寸志, 山崎 正喜
    2026 年88 巻3 号 p. 169-185
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/08
    ジャーナル フリー

    近年,除雪人員の高齢化や人手不足が深刻化しており,路面状態の悪化等に起因する交通障害につながるリスクを迅速に把握する自動化・省人化技術を用いた効率的な管理手法の確立が課題である. そこで本研究では,気象,交通量および除雪データの各種時系列データを統合し,6時間後の冬期路面状態を予測するモデルを構築した.夜間や降雪時に誤判別が生じやすい画像認識に依存せず,これらの条件下でも安定して予測可能な手法として,Long Short-Term MemoryとMulti-Head Attentionを組み合わせた深層学習モデルにより,6時間後の路面状態(乾燥・湿潤,シャーベット,圧雪)を推定した.新潟県長岡市の峠部で取得した約1か月の観測データを用いてモデル構築および検証した結果,テストデータに対して約72 %の正解率を示し,特に圧雪状態を高い再現率で予測できた.特徴量の重要度評価では,降雪量,交通量,気温および除雪経過時間が精度向上に一定の寄与を示し,アブレーションスタディより除雪経過時間の必要性がより明確となった.本手法により,従来の目視監視に比べ人的負担を軽減しつつ,路面状態の悪化を事前に予見した計画的な除雪対策が可能となり, 冬期道路管理の効率化に寄与することが期待される.

  • 栗林 正俊
    2026 年88 巻3 号 p. 187-196
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/08
    ジャーナル フリー

    地球温暖化が信越地方の年最深積雪にどのような影響を及ぼしてきたのかを明らかにするため,長野県と新潟県の計7つの気象観測点における年最深積雪,冬季平均気温,冬季3か月降水量の観測値について,1926~2025年の100年間の経年変化を統計的に解析した.年最深積雪は,相川と高田が有意水準1 %以下,松本と飯田が有意水準5 %以下,新潟が有意水準10 %以下で,それぞれ統計的に有意な減少傾向を示した.冬季平均気温は,7つの観測点全てが有意水準1 %以下で統計的に有意な上昇傾向を示した.冬季3か月降水量は,高田が有意水準5 %以下,長野が有意水準10 %以下で,それぞれ統計的に有意な減少傾向を示した.年最深積雪と冬季平均気温の間には7つの観測点全てにおいて有意水準5 %以下で統計的に有意な負の相関があり,年最深積雪と冬季3か月降水量の間には飯田を除いて有意水準1 %以下で統計的に有意な正の相関があった.これらの結果から,地球温暖化は冬季平均気温を上昇させて,冬季の降水を雪よりも雨として降らせる確率を高め,比較的標高が低く温暖な地域を中心に年最深積雪を減少させてきたと考えられる.また,高田では冬季3か月降水量の減少も年最深積雪の減少の一因と考えられる.

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