雪氷
Online ISSN : 1883-6267
Print ISSN : 0373-1006
37 巻, 4 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 宮内 信之助
    1975 年 37 巻 4 号 p. 41
    発行日: 1975/12/25
    公開日: 2009/07/23
    ジャーナル フリー
  • 前 晋爾, 牛木 久雄, 上田 豊, 樋口 敬二
    1975 年 37 巻 4 号 p. 161-169
    発行日: 1975/12/25
    公開日: 2009/07/23
    ジャーナル フリー
    1974年8月, 東部ネパール・ヒマラヤのサガルマタ山 (英名エベレスト) から流れでているクンブ氷河上で熱掘削を行った. 掘削点は通称エベレスト・ベースキャンプと呼ばれている場所に近く, 消耗域の上部, 標高5,360mの地点であった.
    掘削は掘削孔が凍結して掘削が不可能になるまで続けられた.最終深度は20.3mで, この深度まで掘削深度の時間変化を測定した.この測定結果を解析すると, 最終深度まで7層の氷の層が存在し, 3層は通常氷河氷の層, 3層が青氷か汚れを含む層, 残りの1層は比較的鉛直方向に分布している空気泡を含む層かあるいはほぼ水平に分布する含水層の可能性があることがわかった.
    掘削孔の凍結速度から氷温を計算すると, 2mの深さで-2℃以下となる.一方掘削孔内にうめこんだサーミスターで, 同年10月23日に表面下2.7mの温度を測定したところ-5.3℃であった. 以上の結果から, クンブ氷河の消耗域においては, 氷温は極地型の分布を示すであろうと結論した.
  • 中峠 哲朗
    1975 年 37 巻 4 号 p. 170-173
    発行日: 1975/12/25
    公開日: 2009/07/23
    ジャーナル フリー
    北陸地方にみられる複雑な層構造の積雪について密度分布を連続的に測定するために, 前に積雪密度計を報告した.この密度計では銅製おもりを電気加熱して積雪を融し, 表面から地面へ沈下させる.おもりの瞬間沈下速度が積雪の局所密度を与える.
    今回は, 次のことを報告する.すなわち密度計の実設計を改良し, 野外操作が簡単に行われ, また降雨・降雪時も使用できるようにした.おもりの沈下速度は0.1m/minである.この密度計はsnow-samplerが用いられないような高気温, たとえば10℃の下でも用い得る.最後に測定例として特に高い, または低い密度の薄層 (5~10mm厚) をもつ積雪を観測した.
  • 中峠 哲朗, 北川 茂
    1975 年 37 巻 4 号 p. 174-181
    発行日: 1975/12/25
    公開日: 2009/07/23
    ジャーナル フリー
    福井県においては, われわれは種々の気象学的因子に依存する積雪深の顕著な変化に関心がある.この報告では, われわれはその深さHの分布を海岸からの距離xおよび標高zを用いて, 次式
    H=H0+Bx+Dz
    によって論ずる.ただし, H0, BおよびDは定数である.そして以下のことを見出した. (i) 上述の表式は福井県の大部分の領域において観測値の分布をよく表している. (ii) 今回の表式による値の誤差を帯状地図で示すとき, 次のような急速融雪域が現われた. (1) 海岸に沿う地域, (2) 海風の効果を示す九頭竜川に沿う地域, および (3) 生活域の福井市周辺などである.
  • 五藤 員雄, 黒岩 大助
    1975 年 37 巻 4 号 p. 182-191
    発行日: 1975/12/25
    公開日: 2009/07/23
    ジャーナル フリー
    北陸地方における電線着雪の観測結果では, 着雪の比重は0.2以下で, 風速8m/sec以上では着雪はほとんど脱落してしまうと報告されているが, 北海道でおこる電線着雪では, しばしば着雪比重は0.6以上, 風速10m/secをこえる強風下でも脱落せず, 直径10~20cmに発達していく着雪が観測されている.このような条件下で発達する電線の着雪は, 電線の撚線に沿って着雪が滑り, 回転しつつ発達することが確かめられたので, この点に着目して2・3の着雪抑止方法が考案された.人工的な着雪実験でその効果を確認すると共に, フィールドテストも行った.その結果, 電線の長さが短い場合は抑止効果があるが, 長い場合は, 電線自体が捻れ回転し, 中央部分での着雪抑止効果が低減することがわかった.そこで, 捻れ防止対策を考え, 施したところ, 所期の効果を発揮することができた.
  • 楠 宏
    1975 年 37 巻 4 号 p. 192-200
    発行日: 1975/12/25
    公開日: 2009/07/23
    ジャーナル フリー
    昭和基地 (69°00'S, 39°35'E) 周辺の海氷域の変動機構を解明するため, 1957年以降1975年までの船による海氷観測 (宗谷, 海鷹丸, ふじ) の資料のうち, とくに東経40度の子午線上の氷縁位置の変化に注目した. 航海期の氷縁は64°S付近から68°S付近まで後退する : 12月~1月下旬は4km/日, 2~3月は1.9km/日, 海岸から45km程度までは定着氷が残る.流氷域は5~30cm/secで250°方向へ流れ, リュツォ・ホルム湾を閉塞する. 気象衛星資料 (1966~1970年) も併用し, 氷縁位置の季節変化 (最盛期には55°~57°S付近に達する) と経年変化を論じたが, 資料の集積年数が少ないため, 気候変動の様相はまだ明らかでない.船の氷中航行の状況についても触れた.
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