北海道, 常呂川の中流に位置する北見市内の4地点 (若松大橋, シュプシュブナイ川, 第1観月橋, 第2観月橋) における, 1981~82年一冬間の結氷観測をもとに, 結氷率 (水面の結氷幅/全河川幅) の変化を明らかにした.4地点のうち全面結氷するのが2地点, 部分結氷が2地点である.これらの結氷状況を, 最大結氷率, 結氷・解氷過程の繰返し数および観測期問に対する全面結氷期間の割合を用いて分類した.また, 若松大橋においては結氷率が増えると水位は高く, 水位日変化は気温日変化より遅れて逆位相となる.結氷率を推定するために, 気象要素と水位を説明変数とする重回帰式を求め, 日平均気温や積算寒度の影響が最も大きいことを示した.
次に, 若松大橋における1981年12月2~8日の熱収支観測をもとに, 河床伝熱量, 粘性逸散により発生する熱量および降雪がもちこむ熱量を考慮した河川水の熱収支変化を求めた。全熱収支量に対する重回帰モデルをいくつか検討し, アメダスデータによる気温, 風速, 日照時間, 降水量に水温を含めた5個の説明変数を用いて全損失熱量を推定し, 同定誤差の標準偏差は0.0618ly/minとなった.この全損失熱量の積算値と表面流速をパラメータにして, 水面が結氷するかしないかの判定図を作成し, 若松大橋では1m/s, 第2観月橋では0.5m/s以上の区間では結氷しなことがわかった.
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