雪氷
Online ISSN : 1883-6267
Print ISSN : 0373-1006
49 巻, 2 号
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  • 第9報 高濃度輸送技術の開発
    徳長 靖, 橋本 斉, 水口 一成, 白樫 正高
    1987 年 49 巻 2 号 p. 59-66
    発行日: 1987/06/30
    公開日: 2010/01/22
    ジャーナル フリー
    ポンプ・管路系による雪の水力輸送技術の機能向上を目的として, 管内雪水二相流における雪の濃度の計測と制御を行う機器を開発し, さらに高濃度の雪水二相流の圧力損失を測定した結果に基いて適正な輸送条件を検討した.
    製作された雪分率測定器により円管内の雪水二相流の雪の体積分率Cが, C=0~30%の範囲において3%の精度で決定された.製作された水分離器 (管内の雪水二相流から水を分離してそれより下流の雪の分率を高める装置) により, これまで困難であった, C=35%に達する高濃度の安定した雪水二相流を得た.この水分離器を用いた実験から, 水平管内の雪水二相流の圧力損失は雪分率Cがある臨界値Ccrを越すと, 急激に増加することがわかった.Ccrは流速Uとともに僅かに増加するが, 概略, ざらめ雪の場合Ccr≧25%, 新雪の場合Ccr≧22%程度である.雪の輸送量と輸送距離が与えられたとき動力を最小とするには, 実用的流速の範囲においては雪分率をできるだけCcrに近い値とするのが適当である.
  • 近藤 純正
    1987 年 49 巻 2 号 p. 67-73
    発行日: 1987/06/30
    公開日: 2009/09/04
    ジャーナル フリー
    積雪粒子の風による流動輸送量や地吹雪発生の予知のために, 積雪面にごく近傍の風速のパラメータ化および地上風速の推定法を示した.積雪面近傍の風速は積雪密度が小さいほど, また, 積雪粒子の大きさが大きいほど強くなる。地吹雪が発生する臨界風速は, 積雪密度と積雪粒子の大きさが小さいほど弱くなる.これは新雪ほど地吹雪が起こりやすいことを意味している.地上風速は地表面粗度と地形パラメータ, および上空の一般風速の大きさで予知することができる.
  • 武田 一夫
    1987 年 49 巻 2 号 p. 75-86
    発行日: 1987/06/30
    公開日: 2009/09/04
    ジャーナル フリー
    アイスレンズの発生条件に基づいた新たな凍上性の判定方法を提案した.それによると, アイスレンズの成長が始まる状態は, 凍土の温度勾配と未凍結土の温度勾配のある組合せによって決まる.いくつかの組合せを室内凍上実験によって求めたところ, アイスレンズの発生条件として, 両者の間に比例関係が認められた.比例定数は, 土の吸水能力と未凍結土の動水抵抗との関数で表される.三種類の土について, この比例定数を求めて, 凍上性を定量的に比較した.
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