温暖な地域における新雪の性質を明らかにするために,長岡において観測された積雪の性質のうち,降雪直後の表面から5cm以内の新雪について解析した.7冬季の観測結果から,温暖な地域の新雪の性質の特徴として以下のことが分かった.
1)新雪の月別密度の頻度分布は,最頻値が1月は0.05g/cm
3と0.07g/cm
3,2月には明瞭に0.06g/cm
3で分布が突がっている.また,測定値の最小は0.02g/cm
3であった.
2)冬季間の新雪の密度の最頻値は,0.07g/cm
3であった.
3)新雪の硬度の測定範囲は0.002kgf/cm
2から0.250kgf/cm
2であり,最頻値は0.010kgf/cm
2以下に出現した.
4)新雪の温度は0.0℃から-0.5℃に最頻値が出現し,新雪の温度は-3.4℃以下になることは少ない.
5)新雪の温度と観測時の気温の関係は,観測時の気温より新雪の温度が高い場合,また,観測時の気温より新雪の温度が低い場合のどちらの場合にも温度差があるときには,その最頻値が0.1℃から0.5℃の範囲に出現し,前者は21.4%,後者は11.3%であった,温度差を0.5℃間隔でとった場合,1.0℃,1.5℃と温度差が大きくなるにつれて頻度は急激に減少している.
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