雪氷
Online ISSN : 1883-6267
Print ISSN : 0373-1006
54 巻, 3 号
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  • 田中 輝彦, 大坪 芳次, 大窪 寛和, 村上 真史, 馬場 邦彦, 長谷美 達雄
    1992 年 54 巻 3 号 p. 245-257
    発行日: 1992/09/30
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    着雪時の保守管理体制の充実のために,関東南西部における送電線着雪の発生の有無,着雪の程度を予測するシステムを開発した.このシステムは,気象その他の専門家でない人でも容易に運用できるように,比較的容易に得られ,しかも高度な気象情報である気象庁の無線FAX放送を受信して入力情報としている.過去の顕著な南岸低気圧事例についての解析に基づいて作られたこのシステムは,次の条件を満足する:(1)入力情報量は少なくてすみ,誰にでも入手できる,(2)パソコンを利用し,対話形式で入力から予測結果を導くまでの作業が容易,(3)各鉄塔地点を対象とすることができる,(4)各ステップごとの改良と新たな解析の追加が可能.
    予測システムは神奈川県と東京都の西部を経て埼玉県までを通過する佐久間東幹線(新富士変電所~西東京変電所),只見幹線(西東京変電所~東毛変電所)を対象として作成し,過去及び1987~90年の3冬季に検証を行った.着雪の有無の予測的中率は約80%と評価され,顕著な着雪例の見逃しはない.これより今後の改良点の抽出と運用にむけての具体的な指針を得た.
  • 第2報シミュレーション
    北原 拓夫, 佐藤 佳昭, 白樫 正高, 岡田 彰, 梅村 晃由
    1992 年 54 巻 3 号 p. 259-267
    発行日: 1992/09/30
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    前報(北原他,.1990)で述べたように室内試験により,輸送管内の雪分率を所定の目標値に一致させるよう制御しつつ雪水混合体を連続して輸送できることが確かめられた.今後この方法が実際に利用される時,輸送管の長さを初め各要素機器の仕様はそのつど異なることが予想される.装置の仕様が室内試験で用いたものと異なれば,その制御の状況もまた異なるものと考えられる.種々の条件に対して,制御の良否をあらかじめ検討できるように,パソコンによる雪分率制御のシミュレーションプログラムを作成した.試験条件を入れたシミュレーション結果と実際の試験結果とを比較したところ,シミュレーションは実際の制御状態をよく表せることがわかった.
  • 清水 増治郎, 木村 忠志
    1992 年 54 巻 3 号 p. 269-275
    発行日: 1992/09/30
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    気温が氷点下の低温時に自然滑落屋根の落雪が滞る要因の究明とこれを落雪させる方法の手がかりを得ることを目的として,4種類の屋根材に雪試料を付着させ,付着面における剪断付着強度の測定を行った.この結果,剪断付着強度Fと付着時間tの間に実験式F=atbの関係を見出し,この剪断付着強度は屋根材質によって異なり,弗素樹脂フィルム,ステンレス板,塩化ビニール鋼板,17年間使用した着色亜鉛鉄板の順で小さくなった。また,剪断付着強度は雪試料を構成する雪粒子の粒径にほぼ反比例し,雪密度のほぼ1.3乗に比例した.一方,屋根材の上に自然状態で一晩の間に積った0℃以下の新雪について剪断付着強度を測定した結果,屋根雪底面の温度が0℃以下の場合,勾配25°の屋根(屋根材:塩化ビニール鋼板)上の雪は滑落しないことが判明した.
  • 納口 恭明
    1992 年 54 巻 3 号 p. 277-285
    発行日: 1992/09/30
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    本稿は文字による現象の表現を,簡単な数式による表現(数理モデル)にかえ,その数式のもつ質的な特徴を現象と関連させて数理物理的に解釈するものである.とくに,ここでは雪崩現象を例とし,その発生を動的な観点から表現するもので,駆動力と抵抗力の大小による雪崩の発生,質量の変化が重要な役割を果す点発生雪崩,流動の効果と雪崩の発生,全層雪崩の前兆現象としての斜面積雪のグライド現象について解説する.
  • 植松 孝彦
    1992 年 54 巻 3 号 p. 287-289
    発行日: 1992/09/30
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
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