本研究では,雪を機械的に圧縮し,密度を高めその容積を減じる雪の圧密機械であるピストンーシリンダー構造の往復動式雪氷変換機の基礎的な特性と性能を実験的に明らかにする.
本報告においては,-10℃の低温のしまり雪を対象とし,圧密時の圧力,所要動力の履歴などを実験的に調べ,2段階の変位速度一定モードで運転する雪氷変換機の特性を明らかにした.また,圧縮される雪の密度の違いが雪氷変換機の性能に及ぼす影響について検討を行い,主に次の結果を得た.
変位速度一定モードで雪の圧密を行う場合には,圧密仕事の低減上2段階ポンプの使用が望ましい.雪氷変換機の設定最高圧縮圧は8MPa程度が適当である.雪氷変換機の圧密動作係数は実仕事を基準とした場合20~40程度の値である.また,圧縮される雪の密度(充填雪密度)の低い方が圧密後の雪氷密度は高いが,動力雪氷変換効率は低い.
抄録全体を表示