豪雪都市における今後の除排雪対策を考える上では,種々の除排雪システムの検討が重要であり,そのため本研究では,除排雪システムの費用と便益を計算し,コスト面からの評価を行う.
本報では,その計算方法を示し,長岡市の中心部(商業地域25町内)の車道を対象として,現在稼働している消雪パイプの費用と便益を,長岡市の除雪実績データ等を用いて計算した.結果は,便益が費用を大きく上まわり,費用便益比B/Cでみると,対象地域全体では平雪年で10.9,大雪年で16.1と高い経済性を示した.次に機械除雪について,同地域で稼働した場合の経済性を求めたところ,B/Cは平雪年で10.7,大雪年で7.6となった.
対象地域全体における,各除排雪システムの経済性と降雪累計との関係を求めたところ,どちらのシステムも常に便益の方が費用より大きな値となった.また,少雪年では機械除雪の方が高いB/Cを示すが,降雪累計600cm以上の年では,消雪パイプのB/Cの方が高い値を示すようになる.
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