雪氷
Online ISSN : 1883-6267
Print ISSN : 0373-1006
61 巻, 4 号
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  • 福嶋 祐介, 藤田 和成, 鈴木 健史, 小杉 健二, 佐藤 威
    1999 年 61 巻 4 号 p. 285-296
    発行日: 1999/07/15
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    数値モデルを用いて地吹雪の流動解析を行い,風洞での実験装置を用いた実験結果との比較を行った.数値モデルは,密度変化を全ての項で考慮した非ブーシネスクk-ε乱流モデルであり,空気の連続式,雪粒子の質量保存則,レイノルズ方程式と乱れ運動エネルギー,分子粘性逸散率の式で構成される.この方程式系の性質を確かめるため,斜面の傾斜角,底面近傍の雪粒子濃度,雪粒子の粒径を変化させ計算を行った.低温風洞装置で吹雪を発生させ,熱膜流速計とSPCを用いて風速分布と吹雪量の鉛直方向の分布を測定した.その結果を数値モデルの結果と比較した.この結果,底面の粗度,底面近傍の濃度などの諸量について合理的な値を与えれば数値モデルと実験値との一致が良いことが分かった.
  • 河野 仁, 中川 好治
    1999 年 61 巻 4 号 p. 297-302
    発行日: 1999/07/15
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    登山者,スキーヤーが自分で雪崩の危険度を評価することを目的として,ハンドテストの代わりに「バネ秤と布」で弱層のせん断強度と上載積雪の荷重を測定し,斜面の積雪の安定度指標を求める方法(河野方式)を提案した.この方式の精度検証の為に,せん断強度に関して,上載積雪を取り除いた条件で,従来のシアーフレームによる測定値との比較を行った.そして,河野方式が同一測定条件におけるシアーフレームの測定値とほぼ1割以内の誤差で一致し,必要な精度を有していることを確認した.また,4つの山域で一冬に51回,河野方式で安定度の測定を行い,その実用性について検討した.さらに,小規模人工雪崩実験を3つの山域で12回行い,両者の比較を行った.この比較の結果は,安定度指標SI(flat)が2以下になると雪崩が発生しやすくなり,1.5以下では特に発生しやすいという従来の観測値とほぼ一致し,この方式が有効である事を示した.
  • 吹雪と視程
    竹内 政夫
    1999 年 61 巻 4 号 p. 303-310
    発行日: 1999/07/15
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    雪粒子は光の波長と比べて大きく光は主に反射によって減衰する.また,目の近くの雪粒子一個一個が目に見えることが,その残像も含め視程にも悪く影響している.雪道では吹雪によってホワイトアウト(白い闇)の状態になることもあり,交通の安全を阻害し時には交通の確保を困難にしている.吹雪時の視程は,風速と降雪強度の変化や沿道環境の不連続によって,大きく変動しそれが事故の誘因となっている.また,白い背景に吹き舞う白い雪は,人の目を奪い本来あるべき視程(潜在視程)も見えなくしている.
    雪粒子による光の減衰機構,視程への影響を述べ,道路における視程の特徴について紹介した.
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