雪氷
Online ISSN : 1883-6267
Print ISSN : 0373-1006
64 巻 , 5 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 伊藤 陽一, 西村 浩一, 阿部 修, 小杉 健二, 和泉 薫
    2002 年 64 巻 5 号 p. 523-532
    発行日: 2002/09/15
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    乾雪表層雪崩は一般に雪面近傍の密度の大きい流れ層とこれを覆う雪煙から構成されるが,内部構造の詳細は未知の部分が多い.そこで札幌宮の森ジャンプ競技場の斜面上で最大240kgの雪を流下させる雪崩実験を実施した.測定地点での速度は15m/s以上に達し,雪煙の高さも40cmまで発達した.流れの先端部は散発的な雪塊により構成されたが,それに続く主部では底面付近に流動雪と多数の雪塊を多く含む流れ層が存在し,上部は雪煙が大きく発達した.一方,流れ後方の尾部でも2層構造は維持されたが,雪塊の数は減少し雪煙も薄く間欠的な流れとなった.主部では流れ層の速度が雪煙より大きいが,尾部では流れ層は減速する一方,雪煙部の変化は小さく速度勾配が逆転した.流れ層内部の流動雪の密度は主部と尾部でそれぞれ10~40kg/m3,40~70 kg/m3で後者の方が約2倍大きい.流れ内部に設置した様々なセンサの出力のスペクトル解析の結果からは,流れ内部に長さ1.5~4m程度の特徴的な構造が存在することが確認された.
  • 福嶋 祐介, 菊地 卓郎, 西村 浩一
    2002 年 64 巻 5 号 p. 533-540
    発行日: 2002/09/15
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    地吹雪の計算を行うに際して,底面での濃度の境界条件を与えることが必要である.濃度の境界条件として最も合理的なのがフラックス型あるいは濃度勾配型の境界条件である.このような境界条件の設定では雪の連行係数を用いる方法が考えられる.これは底面での巻き上げフラックスを雪粒子の沈降速度で無次元化したもので,その値は空気の密度,底面でのせん断応力,雪粒子の密度,粒径,沈降速度などの関数と考えられる.本報告では,南極みずほ基地での地吹雪の観測結果に基づき,数値モデルとしてk-ε乱流モデルを採用して,雪の連行係数を推定する.雪の連行係数は河川における砂の連行係数と比較して,2から3オーダー小さくなることを明らかにした.この理由として,砂粒子の水中比重に対して,空気中の雪粒子比重が遥に大きく,乱れによって雪粒子が巻き上げられにくいことがあげられる.
  • 油川 英明, 尾関 俊浩
    2002 年 64 巻 5 号 p. 541-547
    発行日: 2002/09/15
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    雪結晶の顕微鏡写真を撮影するために新たな方法を開発した.これは二つの光源を用いて,暗視野の中に雪結晶だけが白く浮き上がるように撮影する方法である.
    このような写真はベントレーのものが著名で,それは極めて印象的なものであるが,これは原板に操作が加えられた画像であった.今回の方法では,そのような操作を加えることなく,それと同じような写真を直接的に撮影することができる.
  • 神田 尚子, 東 久美子, 中尾 正義, 宮崎 伸夫, 清水 増治郎
    2002 年 64 巻 5 号 p. 549-559
    発行日: 2002/09/15
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    1995年1月から4月にかけて新潟県中里村において,融雪期の積雪中固体微粒子の時間変化を研究するため,13回の積雪断面観測を行ない,そのうち10回積雪試料を採取した.また降水,及び乾性降下物を毎日採取した.これらの試料中の固体微粒子濃度を測定し,次のような結果が得られた.積雪中に含まれている固体微粒子は融雪期に主要イオンとは異なった挙動を示し,表層付近で高濃度となっていた.これは春先になって降水及び乾性降下物中の固体微粒子が増加し,積雪表面に多量に堆積したためであることが明らかになった.一方,地面に接する層では積雪初期段階から地熱による融雪が生じ,粒径0.67~7μmの固体微粒子は融雪水の流下とともに積雪内から流出した.従来考えられていた,固体微粒子だけが積雪中に残って高濃度になる現象は観測されなかった.逆に,固体微粒子が融雪水よりも優先的に流出する場合もあることが示唆された.
feedback
Top