雪氷
Online ISSN : 1883-6267
Print ISSN : 0373-1006
65 巻 , 1 号
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  • 衛藤 俊彦, 福嶋 祐介
    2003 年 65 巻 1 号 p. 3-14
    発行日: 2003/01/15
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    煙型雪崩は空気の乱れによって雪粒子が空中に巻き上げられ,空気と雪粒子の密度差により,斜面方向に流動する現象である.流れが二次元で,雪粒子の流動が乱流拡散で記述できると仮定し,k-ε乱流モデルを用いて煙型雪崩の数値解析手法を提案した.基礎方程式は,連続式,レイノルズ方程式,乱流拡散方程式に加え,乱れ運動エネルギーの式,分子粘性消散率の式である.また,底面での境界条件として雪の連行係数を用い,雪粒子の底面から巻き上げ,底面への沈降を考慮した.本研究で用いた乱流モデルの係数は,他の研究者によって行われた,多くのタイプの異なった乱流の実験との比較で同定された係数の値をそのまま用いた.著者らの実験値と合わせるために調節するパラメータは含んでいないことが,本モデルの大きな特徴である.本モデルは煙型雪崩のシミュレーションを目的とするが,その検証として,実験のやり易い粒子浮遊傾斜サーマルの実験結果との比較を行った.浮遊傾斜サーマル流下速度,最大厚さ,固体粒子総量の実験値を今回の数値解と比較した.さらに今回の解析では,流速ベクトル場,等濃度線も求めることができる.
  • 廣地 武郎, 白樫 正高, 山田 修一, 吉田 可紀, 岡田 純一
    2003 年 65 巻 1 号 p. 15-27
    発行日: 2003/01/15
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    省エネルギーや電力平準化を目指して今後大規模な地域冷房システムの導入が予想される.このとき輸送冷熱密度を高めるために冷水の顕熱だけではなく氷の融解による潜熱を利用できる氷水混相流方式が有利と考えられる.流動性の高い氷の製造のために無機物や有機物を添加することも提案されているが,われわれは,安全性,環境保全などの立場から,添加物を利用しない水と氷のみを利用した輸送システムを提案し,これまでに,氷水混相流の流動・伝熱特性や,蓄氷槽からの氷の取り出し,管内氷分率の計測・制御,熱交換器の開発などの要素技術に関する報告を行ってきた.
    ここでは,これらの知見と要素技術にもとづきパイロットプラントを構築し,システム全体としての機能の検証とその有効性の確認を行ったことを報告する.要素技術に改良を加えることにより蓄氷槽に高い充填率で蓄えられた氷を完全に取り出すことができ,主輸送管内の氷分率また枝管内の氷分率も任意の値に制御することができた.また,これまで提案してきた直接接触式熱交換器により需要側へ一定水温の冷水を安定して供給することができた.以上により,氷水混相流利用式地域冷房システムの実用化は有望であるとの結論を得た.
  • 香川 喜一郎, 伊藤 文雄, 澤 大輔, 佐々木 恭介, 服部 浩之
    2003 年 65 巻 1 号 p. 29-32
    発行日: 2003/01/15
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    氷と塩の寒剤による簡単な冷却装置を使って人工雪を生成した.寒剤の上に小型のプラスチックシャーレを載せて冷却し,シャーレの中に帯電したタンポポの毛を入れる.数分後に毛の上に対称性の良い星状の人工雪が観察される.タンポポの毛は十分細く,かつ毛の上にさらに細い突起がたくさん出ており,その突起を核として人工雪が生成される.毛を帯電させないとき,雪結晶の生成は殆ど見られない.
  • 張 寅生, 大畑 哲夫
    2003 年 65 巻 1 号 p. 33-51
    発行日: 2003/01/15
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    雪氷面のアルベドのパラメーター化について,理論的背景も含めてレビューした.波長別積雪アルベドの理論的研究は,個々の積雪粒子による散乱と積雪層内の多重散乱の考慮,日射の双方向反射分布関数の導入ならびに不規則な積雪粒子形状のパラメーター化によって大きく進歩した.
    理論的研究による結果は,波長別積雪アルベドを支配する要素を明らかにするのに役に立つ.波長別積雪アルベドを支配する要素は2つに分類することができる.すなわち,積雪の物理的性質と外的な要素である.前者は積雪粒子による散乱や多重散乱に関係し,後者には大気状態や太陽天頂角がある.積雪のアルベドを支配する最も重要な要素は,積雪粒子の粒径,不純物,積雪深ならびに太陽天頂角である.
    雪氷面でのアルベドを推定する方法は,主に雪氷面の熱収支や積雪の変化をモニターするために必要なものとして考案されてきた.アルベドの経験的,半経験的な式の多くは,積雪粒子の粒径などの独立変数より,むしろ観測の容易な積雪密度や気温などの従属変数を用いている.
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