雪氷
Online ISSN : 1883-6267
Print ISSN : 0373-1006
66 巻, 3 号
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  • 河田 剛毅, 山田 修一, 白樫 正高, 服部 賢
    2004 年 66 巻 3 号 p. 341-351
    発行日: 2004/05/15
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    開発途上にある氷水輸送方式地域冷房システムの実運用時において現れる管内氷水混相流の伝熱現象に着目し,その伝熱特性を解明することを目的に,水平管内氷水混相流における混相流と管壁間の熱伝達特性,および氷水間の熱交換特性の解明を行った.前者では内管側を氷水混相流,外管側を温水流とする二重管の熱通過率を,後者では温水が混入した混相流の流れ方向水温変化を,それぞれ氷分率,流速を変化させて測定することにより評価した.同時に流動状態の観察も行い,伝熱特性との関連について検討した.用いた氷粒子は粒径10mm程度のチップアイスと,自然の積雪から採取したざらめ雪の2種類である.管壁における熱伝達特性に与える氷粒子混入の影響は粒子が塊を形成して流れる低流速時に現れ,上側の管壁における熱伝達量の増加により管全体の熱伝達量を増加させる効果がある.氷水間の熱交換性能は,高氷分率,もしくは低流速域で流動様式が塊状流れとなる場合を除いてチップアイスよりもざらめ雪の方が高い.
  • 小南 靖弘, 横山 宏太郎, 川方 俊和
    2004 年 66 巻 3 号 p. 353-363
    発行日: 2004/05/15
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    土壌で発生して積雪層内を通って大気中に放出されるCO2の移動に対する,風の影響について検討した.大気中の鉛直CO2フラックスと積雪層内外のCO2濃度差の観測から得られた積雪層の全拡散係数から分子拡散係数の成分を除去し,積雪層内における乱流拡散係数の全層平均値を求めた.これを風速及び積雪深の推移と比較して,風速の2次式,積雪深の1次式として予測する近似式を作成した.この式を既存の積雪層内CO2輸送モデルに適用し,過去に観測された別のデータセットで検証をおこなったところ,良好な一致が見られた.
  • (その1)リング荷重を受ける氷板のクリープ解析解
    粉川 牧
    2004 年 66 巻 3 号 p. 365-375
    発行日: 2004/05/15
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    湖氷板上にアイスドームを建設する場合,湖氷板は長期のリング荷重を受ける.このとき,その力学的安全性が問題となる.そこで,この問題の理論的解明を計るために,ドーム建設中は時間に関して直線的に増加し完成後は一定となるリング荷重と線形Maxwell流体の構成式に従う氷の粘弾性モデルをそれぞれ仮定し,無限平板の弾性解に対応原理を適用して,氷板のクリープ解析法を展開した.その結果として,時間とともに変化する氷板の応力,変位を閉形級数解の形で示している.
  • 鳥田 宏行, 根本 征樹, 西村 浩一, 佐藤 威
    2004 年 66 巻 3 号 p. 377-387
    発行日: 2004/05/15
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    防雪林の防雪効果に関する実測データを得るため,野外にアカエゾマツ(Picea glehnii Masters)の試験林(樹高2.2 m)を設置して野外観測を行なった.また,モデル実験の有効性を検証するため,試験林のモデルを用いた風洞実験を行なって観測結果と比較した.野外観測からは,幅の狭い防雪林は,柵の前後に雪粒子を捕捉する吹きだめ柵と類似した機能を発揮することがわかった.モデル実験では,プロトタイプの吹きだまり分布をほぼ再現することができた.モデル実験の風速および吹きだまりが形成されるまでの時間に関しては,Tabler(1980 b)およびAnno(1984 a)によって提案された相似条件を用いて観測値と比較検討が行なわれた.風速に関してはAnnoめ相似条件から得られた値が,形成時間に関してはTablerの相似条件から得られた値がそれぞれ観測値に比較的良く一致した.
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