雪氷
Online ISSN : 1883-6267
Print ISSN : 0373-1006
67 巻, 3 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 梶川 正弘, 後藤 博, 猿渡 琢, 金谷 晃誠, 橋本 正秀, 菊地 勝弘
    2005 年 67 巻 3 号 p. 213-219
    発行日: 2005/05/15
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    二重防風ネット内で堆積した乾き新積雪の密度に対する平均気温および平均降水強度の影響に加えて,降雪粒子の卓越結晶形,水平粒度分布,霰寄与率(質量フラックスに占める霰の割合),雪面への運動エネルギーフラックスおよび粒子投映像の円形度との関係を解析した.
    その結果,新積雪密度への影響として,卓越結晶と平均降水強度の他に,雲粒付樹枝では運動エネルギーフラックスとの相関が大きかった.また,雲粒付立体樹枝では水平粒度分布,円形度,霰寄与率および運動エネルギーフラックスの影響も比較的顕著にみられた.さらに,卓越結晶形の霰(霰寄与率≧70%)では,水平粒度分布の影響が他の因子より大きかった.
  • 第3報:パイロットプラントによる実証試験と性能評価及び設計基準
    廣地 武郎, 河田 剛毅, 山田 修一, 白樫 正高
    2005 年 67 巻 3 号 p. 221-232
    発行日: 2005/05/15
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    地域冷房システムにおける輸送冷熱密度増加や搬送動力低減のために氷水輸送システムの実用化が検討されているが,そこで必要とされているものの一つに需要側での冷熱受け入れ技術の確立がある.筆者らはこの技術として垂直円筒上向き流れ型直接接触式熱交換器(Direct Contact Heat Exchanger,DCHE)を提案し,第1報,第2報で,定常運転下の伝熱特性を調べ,与えられた供給冷熱量に対応する寸法決定の方法を提案した.本論文では,パイロットプラント内で変動を伴う運転状態での特性を調べ,その実用性を検討している.すなわち,DCHEにおける流入氷分率と出口水温の関係や圧力損失を調べ,この測定結果から損失動力を評価している.また,これらの結果に基づき冷熱受け入れ装置における所要動力とその占有容積の観点から,従来型の冷水輸送式地域冷房システムと,これにDCHEを組み込んだ氷水輸送の新システムとの比較を行っている.これにより氷水輸送システムが動力的には優位であり,容積的には同等と見なせることから,総合的に有利であることを確認している.さらに,氷水輸送において避けることのできない氷分率の変動について,その変動幅と周期に関する許容基準を提示している.
  • 森田 勲, 須田 力
    2005 年 67 巻 3 号 p. 233-243
    発行日: 2005/05/15
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    積雪地における高齢者の人力除雪の実態を明らかにし,体力,自立生活能力と除雪能力との関係を検討することが本研究の目的である.北海道各地の在宅高齢者に対しライフスタイルと身体活動に関するアンケート調査を実施し,男性334名,女性397名の有効回答を得た.さらに,調査対象者のうち男性102名,女性196名に対し文部科学省の体力テストおよび自立生活能力調査(ADL調査)を実施した.
    「降雪の毎に除雪をしている」と答えた割合は,男性の場合,65~69歳,70~79歳および80~89歳の各年齢層でそれぞれ80%,88%および73%,女性の場合,それぞれ46%,47%,27%と高い割合であった.男性の場合,通院中の群と通院していない群間および高血圧症の群と正常血圧の群間で「降雪の毎に除雪をしている」と答えた割合に差がなかったことから,多くの高齢者が無理を押してきつい作業に従事していることが示唆された.女性の場合,「降雪の毎に除雪をしている」群と「体力的に無理なのでしない」群との間で有意な差が見られた指標は,年齢(72.8±6.1と78.6±7.3歳),身長(148.2±5.4と145.3±7.0cm),握力(22.7±5.0と19.1±5.3kg),10m障害物歩行(10.1±3.9と13.2±5.3秒),6分間歩行(494±77と426±88m)およびADL得点(27.1±4.5と22.0±4.7点)であった.これらの結果から,積雪地の高齢者にとって筋力、脚パワーおよび持久性などの体力が除雪の重要な決定要因であることと結論される
  • 高橋 昭好
    2005 年 67 巻 3 号 p. 245-250
    発行日: 2005/05/15
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    氷河上で行われる氷コア掘削において,0℃付近の温暖な氷を掘る場合には,掘削を妨害する問題が発生することが多い.
    この報告は,先ず現在使用されている氷掘削装置の概要を説明し,次に温暖氷掘削の問題点とその原因の追究・解決策・試験結果および今後の展望について述べる.
feedback
Top