雪氷
Online ISSN : 1883-6267
Print ISSN : 0373-1006
67 巻 , 6 号
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  • 山崎 学, 石井 吉之, 小林 大二, 石川 信敬, 柴田 英昭
    2005 年 67 巻 6 号 p. 477-491
    発行日: 2005/11/15
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    北海道北部の寒冷多雪山地流域において,2000年の融雪期に,積雪全層水,積雪下面流出水,土壌水,地下水,河川水のCl-濃度並びに積雪下面流出水,河川水の流出高を観測した.その結果,流域内の標高の異なる2地点で観測された積雪下面流出水の流出高並びにCl-負荷量は異なる値を示した.しかしながら,積雪下面流出水のCl-負荷量は,融雪期間の積雪下面流出水の全流出高に対する融雪開始からの積算流出高の割合に依存していた.この結果を用いて,融雪期間中,1週間ごとの水・Cl-収支を求めた.融雪全期間では,水収支はほぼ釣り合ったのに対し,Cl-収支は流出量が流入量の1.64倍となった.ハイドログラフの2成分分離を行った結果,融雪最盛期において河川流量に占める地下水の割合は72%を占めた.このように地下水の流出が多いため,Cl-の流出量が流入量より多くなったと考えられる.さらに,ハイドログラフの3成分分離を行った結果,河川流量が大きく変化しても河川水に占める古い水の割合は安定していた.また,混ざり水のCl-濃度変化から,一部の積雪下面流出水は一旦地中に浸透した後,遅れて河川に流出していることが示唆された.
  • 佐藤 威, 望月 重人, 小杉 健二, 根本 征樹
    2005 年 67 巻 6 号 p. 493-503
    発行日: 2005/11/15
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    回転楕円体および角柱でモデル化した飛雪粒子がランダムに方位していると仮定して,スノー・パーティクル・カウンター(SPC)で測定される飛雪流量と真の飛雪流量の比を理論的に求めた.また,粒子形状の異なる雪を使用してSPCとネット式吹雪計による飛雪流量の比較実験を行った.
    理論的検討より,粒子形状が回転楕円体の場合は非球形度が増すほど,角柱の場合は薄く板状に近づくほど,あるいは細長くなるほど,SPCで測定される飛雪流量はより過大に評価されることが明らかになった.比較実験の結果は理論的検討の結果と整合するものであった.すなわち,飛雪粒子が樹枝状結晶(人工雪)の破壊されたものからなる時は,SPCによる飛雪流量はネット式吹雪計によるものよりかなり大きくなるが,飛雪粒子が粒状の時は両者はほぼ一致する.
    Sato et al.(1993)による野外におけるSPCとネット式吹雪計の比較観測の結果について,本研究の結果に基づき再検討し,雪面が硬く削剥が生じないような特殊な場合を除けばSPCによる飛雪流量の測定が概ね正確であることを示した.
  • その1,数値解析,模型実験
    嶋田 潔, 長谷美 達雄, 佐藤 威, 佐藤 篤司
    2005 年 67 巻 6 号 p. 505-520
    発行日: 2005/11/15
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    高規格道路,高速自動車道などの多車線道路にも適用できる高性能の防雪柵を開発した.この防雪柵は,柵の上段部に飛雪翼型板を,下段部に吹き払い翼型板を組み合わせ構成される.柵に流入する吹雪は,上段部では上向き気流により,雪粒子を遠方まで飛散させ,下段部では吹き下し気流により,路面上の積雪の吹き払いに寄与し,中間部の弱風帯は雪粒子の濃度と風速の低下により,広範囲の視程改善が可能となる.開発は,数値解析による性能認定と柵構造候補の選出,低温風洞による性能の検証,柵の設計に必要な風力係数の測定と耐風性強度の確認を大型風洞で実施した.この結果,柵周辺の風速分布と路面上の弱風帯の形成範囲,飛雪状況などにおいて数値解析と低温風洞実験による柵の性能特性の相関性が充分認められ,4車線以上の幅の広い道路においても良好な視程を得ることができる高性能の柵であることを確認した.
  • その2,基本構造,実物現場検証
    嶋田 潔, 長谷美 達雄, 佐藤 威, 佐藤 篤司
    2005 年 67 巻 6 号 p. 521-530
    発行日: 2005/11/15
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    高規格道路などの多車線道路にも適用できる高性能の防雪柵を開発した.一般公共道路に設置するこの高性能翼型防雪柵の実物柵を用い,野外実験ならびに公共道路設置による効果の観測を実施した.現地観測は,柵周辺の風の観測,飛雪,視程状況の撮影と柵前後の視程の比較測定を実施した.その結果,風速の空間分布は風洞実験結果とほぼ一致し,撮影画像による判定では,飛雪流の形態は数値計算,風洞実験結果と同様で,また視程緩和も良好であった.解析,模型実験,実物現場検証の3部門で相関性が認められ,4車線道路などの広幅員道路での実用に供せられることが検証された.
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