雪氷
Online ISSN : 1883-6267
Print ISSN : 0373-1006
69 巻, 3 号
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  • 梶川 正弘, 佐藤 昇, 遊馬 芳雄, 菊地 勝弘
    2007 年 69 巻 3 号 p. 337-345
    発行日: 2007/05/15
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    代表的な雪結晶の投影像の円形度を顕微鏡写真の画像処理・解析により求めた.粒度(結晶サイズの最大値および相当円の直径)と円形度の関係について,雲粒付着の影響を含めて結晶形毎の特徴を明らかにした.さらに,結晶形毎の平均円形度および降雪粒子の平均円形度と新積雪の平均密度との関係を導いた.
  • 隅谷 大作, 上田 保司, 生頼 孝博
    2007 年 69 巻 3 号 p. 347-356
    発行日: 2007/05/15
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    地盤凍結工法において,円形構造物に接する凍土を造成する場合,凍着せん断応力の発生方向や大きさは凍着曲面上の位置によって異なる.そのため,凍着せん断方向を1方向のみとする従来の凍着試験だけでは凍着曲面の安全性を定量的に評価することができない.
    今回,砂凍土と鋼管とを用いた曲面凍着せん断実験を行った.凍着破壊は,凍土の凍着位置や厚みによって,凍着面全域に生じる場合,凍着面の一部だけ生じる場合,全く生じず凍土部のみ破壊する場合があった.そこで,凍着面でのせん断応力の解析に基づく凍着破壊発生の判定式を導いた.この判定に基づく破壊荷重や凍着破壊の範囲および破壊モードの解析結果が実験結果に一致することから,判定の妥当性を確認した.
  • 福嶋 祐介, 大澤 範一
    2007 年 69 巻 3 号 p. 357-369
    発行日: 2007/05/15
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    本州日本海側の豪雪地帯ではその雪の量にも係わらず比較的温暖である.このため,2月から3月にかけては,全層雪崩が多発し,人家に被害を及ぼしたり,道路の閉塞を伴う災害が発生する.このような全層雪崩についてはこれまで多くのモデルが開発されている.しかし,これらのモデルは実際に起こる雪崩をかなり簡略化したり,雪玉の運動に置き換えたりするモデルである.本研究では流体力学の基礎方程式を元にこれを斜面に対して直交方向と流れ方向に積分して,全層雪崩の基礎方程式を求めた.さらに,構成関係式を加えて,雪崩のシミュレーションを可能にするモデルを構築した.この中で,雪の取り込み係数と離脱係数の評価が重要であることを示した.
  • 田中 基樹, 鈴木 啓助
    2007 年 69 巻 3 号 p. 371-381
    発行日: 2007/05/15
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    山岳地域である中央アルプス駒ヶ岳東西尾根において,冬季降水中の化学成分の空間分布を把握するとともに,ひとつの山体を越えてエアロゾルが輸送される過程を,降水中の化学成分の変化を通して明らかにすることを目的として研究を行った.積雪中のnss-SO42-(非海塩性のSO42-)濃度とnss-Ca2+(非海塩性のCa2+)濃度は,山体西側より東側の方が低い傾向であった.一方, NO3-濃度は,東西方向による差異は認められなかった.積雪中のNO3-/nss-SO42-比は,西尾根より東尾根の方で大きい値を示していた.このことは,東尾根における積雪には,日本列島由来のエアロゾルをより多く含む空気塊によって化学成分が供給されていることを示唆している.山体西側や主稜線付近では偏西風の影響により,西よりの風が卓越しているのに対し,東側では上昇気流により,東よりの風が支配的であった.この上昇気流により,東側低空域から日本列島由来のエアロゾルが,山体東側上部まで輸送・沈着されているものと推測される.
  • 前田 博司
    2007 年 69 巻 3 号 p. 383-387
    発行日: 2007/05/15
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    2005年12月から2006年2月にかけての豪雪で,岐阜県において発生した被害について調査した.この地域では,人的被害は死者4人・重傷49人・軽傷36人,住家被害は全壊なし・半壊2棟・一部破損601棟・床上浸水なし・床下浸水7棟,非住家被害は451棟であった.被害状況は全国的な傾向とは異なり,高齢者の人的被害が特に多いとはいえず,建物の被害数も多かった.しかし,被害の程度は必ずしも甚大ではなかった.
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