サービソロジー
Online ISSN : 2423-916X
Print ISSN : 2188-5362
5 巻 , 4 号
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巻頭言
特集:サービスとウェルビーイングI:サービスにおけるウェルビーイングを問い直す
論文Abstract
  • Suzuki Satoshi, Anakubo Masato, Mitsukura Yasue
    2019 年 5 巻 4 号 p. 38a
    発行日: 2019/01/28
    公開日: 2019/01/28
    ジャーナル オープンアクセス

    Journal of Serviceology, Vol.2, No.1, pp.1-11, 2017.

    e-ラーニングは教育サービスの効率化に有用であるが,言語化し難い身体動作を対象とし,暗黙知が介在する技能教育の場合にはうまく機能していない.その理由の一つは,サービス提供者である指導者と受容者である学習者の双方の心理変化に強く関係している「経験価値」を考慮していないためである.

    そこで本論文では「経験価値共創プラットフォーム」の概念を紹介し,同プラットフォームに則って,技能教育サービスを向上させるツールとして開発した心理・動作計測e-ラーニングアプリを紹介する.本アプリには,学習者の短期的な経験価値の変化点と考えられる指導タイミングを脳波推定心理状態から判定する指導支援法,並びに満足感推定アルゴリズムが実装されている.本アプリを用いて介護技能指導を模擬したe-ラーニング実験を行い,a)学習者の主観満足度,b)脳波心理推定による客観的心理量,c)技能熟達者による習得技能の評価,の3点を相互比較して,提案する手法・概念を検証した.

    その結果,本指導支援法を用いた場合でも学習者の技能は通常指導と同様に向上 (Welch's t test : t(38.28)=0.04, p=0.03)でき,さらに本指導法を用いた方が有意に学習者の主観ならびに客観的な満足感が向上(t(20)=3.86, p<.001, d=0.66)した.以上のことから介護技能指導の一例ではあるが,経験価値共創プラットフォームの有用性が示された.

    和文概要:鈴木 聡(東京電機大学)

  • Maria Antikainen, Minna Lammi, Taru Hakanen
    2019 年 5 巻 4 号 p. 38b
    発行日: 2019/01/28
    公開日: 2019/01/28
    ジャーナル オープンアクセス

    Journal of Serviceology Vol.3 No.1, pp.1-8, 2018

    環境問題に対応するためには持続可能な循環型経済を構築することが求められる.そこでは,消費者はできる限り長く製品や原材料を使用し続けることが望まれる.循環型経済に移行していくためには,企業のビジネスモデルの根本的なリ・デザインが求められる.この場合,製品を販売するよりも,企業は所有権を保持したままで「循環型経済レンタル・サービス」として製品の利用を顧客に販売するようになり,その結果として資源の利用が社会的に最適化されることが期待できる.

    したがって,製品を購入するよりもサービスの提供のほうが消費者にとって異なる価値を有しなければならない.この点を明らかにするために,本論文では製品やサービスを購入する場合について顧客価値,すなわち顧客が知覚するベネフィット(プラクティカル,経済的,個人的,社会的なベネフィット)とコスト(金銭的,非金銭的コスト)とのトレード・オフに着目した.そしてソファ,洗濯機,衣料品についてフィンランドの消費者へのグループインタビュー調査を実施することで,各製品のレンタル・サービスのビジネスモデルにおけるベネフィットとコストの特性を明らかにした.その結果,消費者が所有するかレンタルするかは経済的ベネフィットとコストのバランスが重要であることなどを明らかにした.

    本論文は持続可能な循環型経済の構築を強調したPSS研究とのかかわりを有しているが,消費者視点を強調し,顧客価値概念を導入した点に意義がある.またインタビュー調査を通じた探索的な研究として位置づけられよう.

    和文概要:菊池 一夫(明治大学)

  • Uémoto Wataru
    2019 年 5 巻 4 号 p. 39
    発行日: 2019/01/28
    公開日: 2019/01/28
    ジャーナル オープンアクセス

    Journal of Serviceology Vol.3 No.1, pp.9-17, 2018.

    従業員への暴言や過度な要求,購入前商品の破損といったサービスの場における逆機能的顧客行動が近年サービス・マーケティングにおいて論じられはじめている.いくつかの先行研究においてサービスの場における逆機能的顧客行動を生じさせないための顧客マネジメント手法について議論されてきている反面,顧客が実際にいかにして逆機能的行動を改善するのかについては研究上の関心がほとんど払われてこなかった.その結果として,顧客マネジメント手法の有効性や他の顧客からの影響に代表される顧客の逆機能的行動を抑制する他の要因が未だに明らかとなっていない.本研究では,何らかのサービスの場において直近3ヶ月以内に自らの行動を改善したことを自覚している顧客のテキストデータを主にテーマ分析によって明らかにすることを試み,結果として他の顧客の逆機能行動,他の顧客の規範的行動,他の顧客の否定的反応,他の顧客からの助言,従業員の配慮,従業員の警告,従業員の疲労という7つの逆機能的顧客行動の改善トリガーが明らかになった.また,逆機能的顧客行動の改善トリガーは大きく分けて他の顧客と従業員という2つの要素からもたらされることが明らかになるとともに,従業員よりも他の顧客のほうが逆機能的顧客行動の改善に貢献することが検証された.そして,これらの結果からはサービスの場における逆機能的顧客行動が与える好ましい側面が存在することと,サービスの場における企業の顧客マネジメントの手法には限界あることが示唆された.

    和文概要:上元 亘(京都産業大学)

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