大気汚染と水汚染(水質汚濁)との間には、相互作用があり,これら両環境汚染問題は統合的に取り扱う必要がある。この相互作用の典型的な例と言える酸性雨は,大気汚染物質が降雨中に移動した結果,生じた,水質汚濁と考えられる。本研究では,雨滴中への大気汚染物質の取り込み過程のうち,特に,汚染ガスの雨滴による吸収を取り上げた。ガス状汚染物質の取り込みは,気液二相間の物質移動であり,いわゆる拡散方程式によって記述する事が可能である。そこで,雨滴の変形を考慮(回転楕円体で近似)した拡散方程式を用いて,雨滴内の汚染物質濃度分布式を導き,さらに,この式から,雨滴による汚染ガス吸収可能量の推算式を求めた。また,Marshall-Palmerの雨滴径分布式を用いて,降雨強度が,雨滴内の汚染物質濃度,および,雨滴の汚染ガス吸収可能量に,及ぼす影響について,検討した。そして,雨滴内に化学反応が生じる場合についても,滴内濃度分布式,汚染ガス吸収可能量推算式を求め,汚染ガス吸収の特性について考察を加えた。
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