環境科学会誌
Online ISSN : 1884-5029
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29 巻, 4 号
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一般論文
  • 碓井 健寛, 田崎 智宏
    2016 年 29 巻 4 号 p. 191-200
    発行日: 2016/07/29
    公開日: 2016/12/23
    ジャーナル フリー

    容器包装の削減(リデュース)の取組はどのように評価されているのだろうか。事業者のリデュースの対策について統計分析が包括的に行われてきたことはなかった。そこで本研究は,小売業者が独自に行っている容器包装削減の取組がどれだけ有効であるのか確かめるために,小売業者の容器包装使用量に関してパネルデータ分析を行った。具体的にはコンビニエンスストアとスーパーマーケットの5 年間の事業者別の容器包装使用量データを用いて,減量化対策の効果を検証した。その結果「有償化」だけが有意な減量効果を持つことがわかった。しかしそれ以外の取組は有意な減量効果があるとは認められなかった。

研究資料
  • 苗村 晶彦, 楊 宗興
    2016 年 29 巻 4 号 p. 201-205
    発行日: 2016/07/29
    公開日: 2016/12/23
    ジャーナル フリー

    横浜市内を流れる都市河川・大岡川の源流域の森林渓流水において平水時濃度を測定し,対照区として奥秩父の森林渓流水と比較した。結果,大岡川の渓流水中のCl濃度は平均366 µMとなり奥秩父と比較して14倍,NO3濃度は平均104 µM(同様に3.1倍)となり,大岡川源流は,特に大気沈着からの影響を大きく受け,主に海塩の影響と人為的な影響が強く示唆された。NO3は森林の窒素飽和の観点から,SO42-は土壌の影響も大きく,これらの渓流水中の陰イオン濃度には注視すべきである。

2015年シンポジウム
  • 大西 洋平
    2016 年 29 巻 4 号 p. 206-214
    発行日: 2016/07/29
    公開日: 2016/12/23
    ジャーナル フリー

    化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)の改正により,段階的なリスク評価制度が導入された。その入口として優先評価化学物質を選定する段階がスクリーニング評価である。これまでにスクリーニング評価は6回実施され,196物質が優先評価化学物質に指定されている。また,一般化学物質全体に対するスクリーニング評価の進捗度は人健康影響では94%,生態影響では97%であった。改正化審法は施行から5年後に施行の状況の点検が実施され,必要に応じて見直される。そこで,本稿では,スクリーニング評価の今後のあり方の検討に資するように,スクリーニング評価の手法,結果,進捗について解説する。さらに,これまでのスクリーニング評価を通じて明らかになってきた評価単位の課題について,石油由来の炭化水素類のうち潤滑油基油及びポリオキシアルキレン類のうちポリオキシエチレンアルキルエーテルを例に概説し,その課題への取組について説明する。

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