尚絅学園研究紀要 A.人文・社会科学編
Online ISSN : 2433-653X
Print ISSN : 1881-6290
最新号
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
〈論文〉
  • ノーマン ジョシュ
    原稿種別: 本文
    2012 年 6 巻 p. 1-18
    発行日: 2012/03/31
    公開日: 2018/08/04
    ジャーナル フリー
    電子付録
    本論では、日本人の学生がネイティブスピーカーによる英語の授業で、積極的に参加しようとしない理由を探る。その主な理由のひとつに、日本人はHofstede(1991)が「不確実性回避(Uncertainty Avoidance)」と呼ぶ特性のレベルが高いことが挙げられる。筆者が二つの大学で行ったアンケート調査(n=275)の結果を見ると、回答者の85%が自分のことをややシャイ、あるいはとてもシャイだと考えている。英語を話すときにこのように感じる割合は、もっと高くなる(92%)。こうした回答にマトリクス照合検査を用いて分析を加えたところ、44%の学生が英語を話すときの方がよりシャイになると答えたのに対して、より積極的になると答えたのは8%にすぎなかった。さらに、回答者の半数以上(57%)が、ネイティブスピーカーによる英語の授業で、質問の答えが分かっていても答えないことがよくある、または、時々あると答えている。その理由の上位三つはいずれも「不確実性回避」に関係している。こうした調査結果は、英語の授業で、学生に自信を持たせてもっと積極的に参加させる必要がある、ということを示唆している。学生が「不確実性回避」を克服する助けとなり得る方法も併せて提案し検討したい。
  • 表現に見る視覚動詞の役割
    竹下 裕俊
    原稿種別: 本文
    2012 年 6 巻 p. 19-32
    発行日: 2012/03/31
    公開日: 2018/08/04
    ジャーナル フリー
    竹下(2011)は,Hemingway の短編"The Undefeated" の4つの場面における語りの英語の統語的な違いを,Hunt(1965)が提唱したT-unit の概念を利用して浮き彫りにするとともに,作品の多くを占める闘牛場の場面のfree modifiers の表現上の役割について分析した。その結果,特に,闘牛場の場面に見られる臨場感や緊張感は,それらの計画的配置に大きな原因があることが分かった。本論では,闘牛場の場面にとどまらず,作品全体に漂う独特の雰囲気や緊張感の要因をさらに探るために,竹下(2011)では紙面の都合で言及できなかった視覚動詞の役割について,同じく表現の視点から考察する。本作品中に見られる視覚動詞一つひとつは,その用法において多くは一般的であるが,それが文脈中,他の様々な表現手段と組み合わさるとき,作品特有の空気を醸成する重要な因子としての働きが見えてくる。このことは,それらが,作家の`hard-boiled' スタイルの心理描写を解明する手がかりともなる可能性を示唆している。
  • Jack London のボクシング小説"A Piece of Steak"について
    田口 誠一
    原稿種別: 本文
    2012 年 6 巻 p. 33-44
    発行日: 2012/03/31
    公開日: 2018/08/04
    ジャーナル フリー
    ジャック・ロンドン(1876-1916)はボクシング,フェンシング,水泳などのスポーツに関心があった作家であり,ボクシング観戦記も書いている。ロンドンはボクシングを小説の題材にした最初の著名なアメリカ作家であり,小説には『試合』と『奈落の獣』, 短編には「一切れのビフテキ」と「メキシコ人」がある。本論では,ロンドンの4作品に言及するが,「若さ」と「老い」の対照性が際立って描写されている「一切れのビフテキ」を中心に考察する。
  • 熊本市における移行準備段階過程を通して
    田中 孝明
    原稿種別: 本文
    2012 年 6 巻 p. 45-62
    発行日: 2012/03/31
    公開日: 2018/08/04
    ジャーナル フリー
    電子付録
    熊本市は2012(平成24)年4月に政令指定都市へ移行するにあたり,地域包括支援センターの見直しを行うこととした。具体的には,政令市移行に伴う行政区の見直しと連動して,2011(平成23)年6月に成立した介護保険法改正による地域包括支援センターの機能強化を図る一方で,センターの担当圏域の再設定を行い,これまでのセンター設置数を減らしたうえで委託事業者を新たに公募する形をとることにした。しかしながら,センター担当圏域の再設定やセンター数の削減は,①センターと地域住民とのこれまでの信頼関係,②公募制をとるにあたっての評価基準の仕組み,③将来的な人口推計を見据えた地域包括ケアシステム,にとって課題が多いと指摘できる。
  • 畠山 真一
    原稿種別: 本文
    2012 年 6 巻 p. 63-77
    発行日: 2012/03/31
    公開日: 2018/08/04
    ジャーナル フリー
    本論文は,スル形で発話時が指示可能であり,人称制限が観察される,「困る」,「照れる」,「イライラする」といった感情を表現する動詞(以後,感情表出動詞) を分析し,その局面構造と人称制限のメカニズムを明らかにすることを目的としている。分析の結果,(1)感情表出動詞は,感情出現,感情表出動作,感情状態の3の局面からなる局面構造を持つこと,(2)シテイル形に見られる人称制限解除が,感情表出動作によるものであり,証拠性の概念にうったえる必要はないこと,(3)スル形・シタ形に観察される人称制限は,それぞれの形が見せる一般的な使用制限から説明可能であること,の3点が明らかになった。
  • 角田 裕之
    原稿種別: 本文
    2012 年 6 巻 p. 79-85
    発行日: 2012/03/31
    公開日: 2018/08/04
    ジャーナル フリー
    学術知識が集積した集合と論文との非明示的な引用関係を定義した指標(KP),及び被引用量指標(Cited )を用いて2つの大学ランキング(KPRCR )を作成した。これらの2つのランキングと他の主要な大学ランキングとのスピアマンの順位相関係数を調査した。KPR はTHE, AR, RW, NW と,CR はQS とSIR の間で高かった。この原因となった大学ランキングを構成する指標を考察し,KPR が主要な大学ランキングと類似性が高いことを示した。
  • 廣江 顕, 畑田 秀将
    原稿種別: 本文
    2012 年 6 巻 p. 87-98
    発行日: 2012/03/31
    公開日: 2018/08/04
    ジャーナル フリー
    本論では,ICT 機器を活用した中学校における英語の授業方法の典型例を概観しつつ,そのような活用方法では捉えられない側面があることを示し,英語教育そのものに対する示唆や意味合いを考察した。ICT 導入による視覚的効果には,一定の成果は認めつつも,教師の能力や技術力に依拠する点には変わりがなく,安易にコントロール型授業に傾斜してしまいかねない弊害を指摘した。
  • 廣江 顕
    原稿種別: 本文
    2012 年 6 巻 p. 99-108
    発行日: 2012/03/31
    公開日: 2018/08/04
    ジャーナル フリー
    本論は,文中の埋め込み構造としていかなる統語形式が許容されるのかを考察した覚え書きである。具体的には,直接引用文は名詞表現であるとするCollins(1997) の問題点を指摘し,直接引用文は発話様態動詞の補部と同じく付加詞節を形成しているとの主張を行うものである。
〈報告〉
〈資料〉
  • 初年度から教育実習後までの教職履修カルテを用いた自己評価
    川嶋 健太郎, 篠塚 致子
    原稿種別: 本文
    2012 年 6 巻 p. 123-135
    発行日: 2012/03/31
    公開日: 2018/08/04
    ジャーナル フリー
    教職実践演習に伴って導入された教職履修カルテには学生による教職に関わる資質・能力への自己評価が含まれている。しかしこれまでの研究では学生の自己評価がどのような変遷をたどるのかは明らかにされてきていない。そこで本稿では初年度から教育実習終了後までの教職履修カルテでの自己評価の変化を調べた。さらにその変化の要因およびその内容についてのアンケートを実施して,今後の教員養成課程,特に教職実践演習へどのような示唆があるか考察した。
〈論文〉
〈資料〉
  • 宮崎 尚子
    原稿種別: 本文
    2012 年 6 巻 p. A25-A48
    発行日: 2012/03/31
    公開日: 2018/08/04
    ジャーナル フリー
    小説家でもあり評論家でもあった石丸梧平主宰の雑誌「団欒」を十三冊を発見した。このうち紙幅の都合上、①第十二号「生活と食物号」(大正五年五月一日発行)、②第二巻第一号「文芸号」(大正五年六月一日発行)、③第二巻第二号「美と表情号」(大正五年七月一日発行)、④第三巻第一号新年号(大正六年一月一日発行)、⑤第四年第一巻新年号(大正七年一月一日発行)、⑥第四年二月号(大正七年二月一月発行)、⑦第四年三月号「義理人情号」(大正七年三月一日発行)、⑧第四年四月号〈再版〉(大正七年四月一日発行)、⑨第四年七月号(大正七年七月一日発行)の九冊の目次を紹介する。与謝野晶子、平塚明子(雷鳥)、若山牧水、島村抱月、釈超空など著名人の投稿も見られる。
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