日本顎口腔機能学会雑誌
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16 巻, 1 号
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原著論文
  • 野口 直人, 重本 修伺, 大倉 一夫, 坂東 永一
    2009 年 16 巻 1 号 p. 1-14
    発行日: 2009/10/31
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    睡眠時ブラキシズムは,その運動様式によりクレンチング,グラインディング,タッピングの3種類に分類されている.しかし従来の研究では,筋活動を対象としたものが多く顎運動を解析対象とした報告は少ない.そこで本研究では,睡眠時ブラキシズム発現時の顎運動の測定法および解析法について検討した.睡眠時に使用可能な口腔内センサ方式6自由度顎運動測定器を開発した.この測定器と携帯型ポリソムノグラフ装置で構成する睡眠時6自由度顎運動測定システムを用いて顎口腔系に異常を認めない41歳男性被験者1名の睡眠中の顎運動と脳波,眼振,心電図,咀嚼筋筋電図などの生体信号の1終夜測定を行った.5%MVC以上の咬筋筋活動を基準に解析した結果,合計19回の睡眠時ブラキシズムが検出され,睡眠1時間あたりの平均回数は4.8回,平均持続時間は3.4(±1.5)秒,平均ピーク咬筋筋活動量は,31.3(±13.6)%MVCであった.筋活動様式による分類ではクレンチング1回,グラインディング18回であったのに対し,顎運動様式による分類ではクレンチング6回,グラインディング1回,タッピング7回,複合型5回であった.また睡眠時ブラキシズム発現時の咬筋筋活動は,咬合接触の安定した咬頭嵌合位とその周辺で発現することを予想していたが,咬頭嵌合位から離れた偏心位においても観察された.本研究結果から睡眠時ブラキシズムを詳細に解析するためには,筋活動に加えて6自由度顎運動を対象とすることの必要性が改めて強く示された.
  • 金子 敦郎, 小林 博, 山田 好秋, 野村 修一
    2009 年 16 巻 1 号 p. 15-21
    発行日: 2009/10/31
    公開日: 2011/05/20
    ジャーナル フリー
    日常的に歯科治療を続けている歯科医師は,頸部・腰部に負担をかけているのではないかと思われているが,どのような動作をしているのか詳細に確認されていない.そこで,我々は歯科治療時の歯科医師の頭位姿勢を測定,分析することを目的としてブルートゥースを用いたリモート加速度計を開発した.
     被験者は歯科医師である5名を対象とし,歯科治療とデスクワーク時の頭部姿勢を測定して比較した.加速度計は耳に装着して使用し,基準面はフランクフルト平面に合わせた.
     分析は傾斜角度の積算時間分布を求めたグラフを用いた.全被験者の平均傾斜角度,標準偏差,ピーク値を平均すると,歯科治療時における頭位の前後運動の平均傾斜角度がデスクワーク時に比べ有意に大きかった.これにより,デスクワークに比べ歯科治療時はより頭位を傾斜していることが示された.また,前後方向の標準偏差は歯科治療が16.7°,デスクワークが8.6°.左右方向の標準偏差は歯科治療が14.7°,デスクワークが5.6°という結果を得た.これにより,歯科治療時の頭位は広範囲の角度に傾斜していたことが分かった.
     これらのことから,前方方向を主とした頭位の傾斜を繰り返す歯科治療時の特徴が確認された.
学術大会抄録
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