日本顎口腔機能学会雑誌
Online ISSN : 1883-986X
Print ISSN : 1340-9085
ISSN-L : 1340-9085
6 巻, 2 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 坂東 永一
    2000 年 6 巻 2 号 p. 109-110
    発行日: 2000/08/31
    公開日: 2010/10/13
    ジャーナル フリー
  • 依田 洋明
    2000 年 6 巻 2 号 p. 111-121
    発行日: 2000/08/31
    公開日: 2010/10/13
    ジャーナル フリー
  • 山田 好秋
    2000 年 6 巻 2 号 p. 123-126
    発行日: 2000/08/31
    公開日: 2010/10/13
    ジャーナル フリー
  • 市来 利香
    2000 年 6 巻 2 号 p. 127-137
    発行日: 2000/08/31
    公開日: 2010/10/13
    ジャーナル フリー
    ブラキシズムに関する報告は数多く見られるが, ブラキシズムの疫学, メカニズム, 治療法については未だに解明されていない部分が多い.本論文では, これまでに報告されたブラキシズムの実験的研究や観察的研究をとおして, ブラキシズムについて解っていることを明確にし, これからの研究の方向性について示した.
    まず, 頭痛や筋痛などの顎関節症状とブラキシズムおよび咬耗とブラキシズムとの関係について, 次にラキシズムの疫学調査, 測定方法, 治療法について, 文献のレビューを行った.また, 本論文の最後にブラキシズムの日間変動の観察, および, ブラキシズムに対するスプリントの作用機序の解明を目的として著者らが行った研究を紹介した.
    睡眠時ブラキシズムの解明を困難にしている理由の一つとして, 研究によってブラキサーの定義が異なることがあげられる.また, 日間変動の存在や, 測定によるストレス等によってブラキシズムの活動が変動する可能性があるため, ブラキシズムを正確に捉えることは容易ではない.ブラキシズムの計測は, 睡眠時および日常の生活環境における活動が対象であり, また長時間・長期間のデータ収集・解析が必要であるため, 信頼性の高いデータを採取することが困難である.そのため, ブラキシズムの研究を行う際には, 研究計画の立案の段階から細心の注意が必要である.
  • ―徳島大学での研究の紹介―
    大倉 一夫
    2000 年 6 巻 2 号 p. 139-145
    発行日: 2000/08/31
    公開日: 2010/10/13
    ジャーナル フリー
    ブラキシズムは睡眠時の口腔習癖として古くから知られており, 歯周疾患, 歯の過度な咬耗, 顎機能障害などに影響を与えると考えられている.ブラキシズムを理解することは臨床的に重要であるが, 現在においてもブラキシズムの詳細については未解明の点が多い.本文の目的は睡眠時ブラキシズムを研究あるいは治療の対象とする際の問題点や方法論に関して, 当教室で行われたブラキシズムの研究を例として解説することにある.主に以下の項目について述べる.
    1.ブラキシズムとは何か?
    2.ブラキシズム測定上の問題点
    3.ブラキシズム解析上の問題点
    4.治療を考慮したブラキシズム把握法
    5.今後の展望
  • 吉田 教明, 古賀 義之, 三牧 尚史, 小林 和英, 山田 好秋
    2000 年 6 巻 2 号 p. 147-152
    発行日: 2000/08/31
    公開日: 2010/10/13
    ジャーナル フリー
    歯の抵抗中心位と荷重ベクトルの関係がわかれば, 歯に与えられる力とモーメントの組み合わせが決定され, 歯の移動様式を推定することができる.すなわち, 歯を最終的な目標位置へ最短距離で移動するために必要な力系を設定することが可能となり, 効率的な歯の移動が実現される.
    本研究では, 磁気センサを応用した変位測定システムを用いて, ヒト上顎中切歯に矯正力を負荷した時の2標点の変位を実時間で記録し, 抵抗中心位を求めた.その結果, 歯の抵抗中心は歯槽頂より歯根長の19%根尖側寄りの位置に観察された.これは, 従来考えられていた歯根長の歯頚側1/3よりも歯冠側寄りに位置していた.荷重時の歯の抵抗中心位は歯の形態によって, 単純に決定されるものではなく, それを取り巻く歯根膜や歯槽骨の解剖学的形態などの様々な要因が複合して決定されることが示唆された.
  • 早崎 治明, 齊藤 一誠, 中田 志保, 岩瀬 陽子, 岡本 篤剛, 山崎 要一, 中田 稔
    2000 年 6 巻 2 号 p. 153-161
    発行日: 2000/08/31
    公開日: 2010/10/13
    ジャーナル フリー
    咀嚼運動終末位付近の運動を解析した報告は非常に限られており小児に関しては見当たらない.そこで本研究では乳歯列を有する小児12名 (男性4名, 女性8名; 平均年齢5歳5ケ月) の下顎切歯点におけるガム咀嚼運動の終末位付近の動態を解析した.咀嚼運動は終末位付近の運動を保存するため, 運動の下方で各サイクルに切断した.各サイクルは主咀嚼側または非主咀嚼側のいずれから閉口し, いずれに閉口したかを判別し, それにしたがい4種類に分類した.また, 頻度の多かった主咀嚼側から閉口し開口時に同側にもどったもの, 主咀嚼側から閉口し反対側である非主咀嚼側に開口したものについては三次元座標値をMultilevel ModelA nalysisを用いて, 時間をパラメータとする指数関数で近似し, 三次元速度の時間的変化を検討した.小児の特徴を明らかにするため個性正常咬合を有する成人女子18名 (平均年齢22歳2ケ月) についても同様の解析を行った.その結果, 以下の結論を得た.
    乳歯列期小児のガム咀嚼運動は,
    1) 80%が主咀嚼側で噛んでいた
    2) 成人に比べ片側のみを使用したサイクルが多かった
    3) 終末位付近の速度は成人に比べ速かった
    4) この速度はパターンが異なっても被験者群で類似した傾向を示した.
    これらの結果には乳歯列期小児の特有の形態や咀嚼パターンが深く関与しているものと考えられた.
  • ―デンタルプレスケール (R) システムを利用した小児における咬合の安定性獲得の評価法の試み―
    齋藤 亮, 三輪 全三, 飯島 英世, 高木 裕三
    2000 年 6 巻 2 号 p. 163-170
    発行日: 2000/08/31
    公開日: 2010/10/13
    ジャーナル フリー
    咬合誘導処置において, 咬頭嵌合位における咬合の機能的安定性が, いかなる過程を経ながら獲得されていくのか, 臨床症例の1例についてデンタルプレスケールを利用した評価法で分析した.対象は左側臼歯部交叉咬合を有するHellmanの歯年齢IIC期の男児である.治療法として, 上顎に急速拡大装置を適用し, 上顎拡大前から拡大後, 自然的保定までの咬合接触面積, 咬合力, 咬合力重心位置および非対称性指数を評価した.
    結果は次の通りである.
    1.咬合接触面積および咬合力について
    上顎拡大後, 個々の歯では, 左側乳犬歯, 左側第二乳臼歯および両側第一大臼歯の咬合接触面積・咬合力が経時的に増大した.歯列全体では, 上顎拡大後一時的に咬合接触面積・咬合力は減少したが, リンガルアーチ保定になると再び増加した.
    2.咬合力重心位置について
    前後的には, 拡大後に前方へ移動したが, リンガルアーチ保定になると後方へ移動した.また, 側方的には, 拡大後に左側へ移動したが, リンガルアーヂ保定になると正中方向へ移動し始めた.
    3.非対称性指数について
    リンガルアーチ保定2か月後で, 最も小さい値になった.リンガルアーチ保定が長くなるにつれて, 値は増加した.しかしながら, 自然的保定になると値は減少し始めた.
    この症例を通して, 不正咬合における被蓋改善後に形態的には比較的安定した咬合状態を獲得していても, 咬合力分布の左右および前後のバランスは不安定であることがわかった.そして, 機能的な咬合の安定は自然的保定中に徐々に獲得されていくものと思われた.
feedback
Top