現代の社会病理
Online ISSN : 2436-2174
Print ISSN : 1342-470X
26 巻
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
表紙
巻頭言
目次
特集;現代社会の生きにくさを社会病理学はどのように捉えるか
  • -出産に至るまでの径路に焦点をおいて-
    大川 聡子
    2018 年 26 巻 p. 23-40
    発行日: 2018/09/29
    公開日: 2024/10/15
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は、若年母親24名にインタビュー調査を行なった結果を基に、若年母親の社会的特徴と、妊娠に気づいた時の母親とパートナーの思いの変化と出産に至るまでの径路を明らかにし、母親の特徴を踏まえた支援のあり方について考察する。 インタビューデータは質的記述的分析を行ない、コード化・カテゴリー化した。抽出されたカテゴリー・コードを時系列に並べ、TEM図を作成した。妊娠から出産に至るまでの径路を、母親・パートナーの妊娠後の子どもへの思いに焦点を当てて、タイプA:計画された妊娠、タイプB:予期せぬ妊娠・望んだ出産、タイプC:追い込まれ出産の3つのタイプに類型化した。 若年母親に対しては、職業教育の推進、就労環境の整備など生活基盤を整えるための支援が重要であり、妊娠後に変化する子どもへの思い、パートナーの子どもへの思い、パートナーとの関係性の変化に焦点を当てて、妊娠期から継続的に支援していく必要があることが示された。
論文
  • -監視カメラの臨床社会学-
    朝田 佳尚
    2011 年 26 巻 p. 51-66
    発行日: 2011/10/01
    公開日: 2024/10/11
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿は民族社会における卜占の事例を補助線に使いながら、監視カメラがもつ独特の機制を明らかにする。E.E.エヴァンス=プリチャードが紹介したザンデの毒卜占には、卜占がどのような結果を出そうと人びとの意図を正当化するという意味づけの機制が備わる。この機制は地域の住民が運用する現代の監視カメラにも存在する。監視カメラにも人びとの意味づけを正当化し、それを通して監視カメラの信憑性を高める機制があるのだ。しかし、卜占と監視カメラの間には相違点もある。卜占は人びとが正当化しきれない結果を示すことがあり、それが人びとに意図と文脈の変更を促すが、監視カメラにはそうした機制がない。こうした点から、本稿は監視カメラが卜占以上に現在の社会編成の再生産に寄与してしまうと指摘する。また、コミュニティにおける監視カメラの増加は統治性の浸透を表しており、今後の監視社会研究はこうした点を考慮に入れるべきだと主張する。
現場の声
書評
規定・要項
編集後記・奥付
裏表紙
feedback
Top