温度成層型蓄熱槽において,入口温度が変動すると蓄熱槽内での混合損失を生じ,既蓄熱部分でエネルギーの質的低下を引き起こす.本研究では,本槽内に複数の開口部を有する副槽を設け,各開口部には副槽から本槽へのみ流体の移動が可能なダンパを取り付けて,副槽に供給した流体を無制御で本槽内のその温度と等しい温度層に移動させる"温度選択蓄熱方式"を提案した.本報では,高さ1100mm,幅700mm,奥行き200mmの実験槽を試作し,水を蓄熱媒体として,槽内温度分布,供給流量,供給温度,供給方法および副槽断面積を変化させた時の槽内の温度分布の測定および槽内の蓄熱過程の可視化を行った.その結果,入口温度の変化に対して,幅の広い流量範囲での温度選択性を確認した.
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