高齢者の好ましい温熱環境条件を導き出す研究の一環として,夏服着用,椅座安静状態の高齢者男性および青年男性に,高齢者は28,30,32℃,青年は26,28,30℃のそれぞれ3段階の気温において,最も快適な温熱環境になるように気流速度を調節させた.その結果,各気温での選択気流速度の平均値は高齢者男性群は気温28℃で0.41m/s,30℃で0.80m/s,32℃で1.08m/sで,青年男性群の気温26℃で0.46m/s,28℃で0.84m/s,30℃で1.37m/sに比べ同じ気温で約0.4m/s遅く,高齢者男性は青年男性と比べて気流暴露後の皮膚温や熱流量,温冷感に違いがみられた.
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