大規模吹抜け空間に付設されている噴水や滝や池などの水辺は大きな加湿要因や発湿源となり,夏期は冷房の潜熱負荷を増大させ,冬期は大規模にガラス被覆された壁面で結露し,建物の汚損や補修の要因ともなっている.本論文では,建物内に付設された流水面をそのまま援用し,その凝縮現象を取り込んだ空間内の温湿度の環境設計に資することを目的として,小型模型空間を用いた流下水面の凝縮・蒸発量の実験を行い,水面近傍気流速,水蒸気圧差,水面温度,相対湿度と物質伝達に関わる基礎的な検討を行った.本論文はそれらの実験結果をとりまとめたものである.
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