バイオマスから製造したエタノール燃料は,温室効果ガス排出量が少ない,カーボンフリーの再生可能エネルギーとして注目されている。そこで本稿では,太陽エネルギーを熱源とするエタノール水蒸気改質により水素を生成して,固体高分子膜形燃料電池(PEM)を運転するシステムについて調査する。このシステムに,札幌,東京,大阪,鹿児島の気象データを導入して,水素生成量,温室効果ガス排出量,売電および買電量の詳細を数値解析で調査した。この結果,直径1m程度の2台の太陽光集光集熱器を用いた3.3kWシステムを大阪および鹿児島に導入する場合,戸建て住宅1棟の全電力需要を賄えるほか,鹿児島では多くの売電ができる基本性能があるものと予測された。
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