全国49都市の二人以上世帯のエネルギー源別年間消費量に見られる地域性の要因を明らかにするため,以下の分析を行った.まずクラスター分析により都市群を5つの類型に分類した.このとき,エネルギー消費の地域性は都市ガスと灯油の消費量に明確に表れることが示された.次に重回帰および非線形回帰分析を行ったところ,都市ガス消費量に対し,人口密度,県民所得,都市ガス価格が,灯油消費量に対し,平均気温,日照時間,県民所得が影響を及ぼしていることが示された.そして都市ガス消費量と灯油消費量に影響を及ぼしている要因を説明変数として樹木モデルによる類型の回帰分析を行った結果,平均気温,日照時間,人口密度,県民所得の4要因によってエネルギー消費の地域性を説明できることが示された.
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