亜鉛めっき鋼管は,その防食性・施工性・汎用性・コストの利点から,冷温水や冷却水等,現在でも多くの配管系に多く利用されている.しかし,亜鉛と鋼の電位逆転が原因と思われる局部腐食による漏水事故が度々発生している.亜鉛と鋼の電位逆転現象については,約70年前から研究されているが,その原因は明らかでない.本研究では,これまで行われた研究の整理と,腐食トラブルの発生状況について詳細な調査を行った.調査の結果,亜鉛の電位逆転現象は水質の影響で生じることが最新の見解であるが,その詳細については未だ不明な点が多いこと,および漏水が生じた亜鉛めっき鋼管では,亜鉛と鋼の電位逆転現象が実際に生じていることを明らかにした.そして,これらの結果を基に,腐食原因の解明と対策の実施に向けた今後の研究課題を提案した.
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