本研究では,前報で提案したクリーンルームシステムのライフサイクルを通じた環境負荷低減効果を定量的に把握することを目的とし,クリーンルームシステム,清浄度,熱負荷の差異に着目し評価を行った。特に,従来システムで多くのエネルギーを必要とした運用段階の空気循環エネルギーについて詳細に検討を行った。前報で提案したタスク&アンビエントクリーン空調システムは,従来システム(FFU)と比較してCO_2排出量は,建設段階で44.6%,運用段階の修繕・改修で30.1%,運用段階のエネルギー消費量で18.1%,廃棄段階で17.4%低減できることを示した。また,ライフサイクルを45年間とした場合,20.8%のCO_2排出量低減効果があることが分かった。最後に,クリーン空調システムの変遷によるCO_2排出量の変化について検討を行い,過去から現在までのシステムの変遷により約50%のCO_2排出量が低減されていること,また,将来的に提案するシステムにより更に24%のCO_2排出量が低減できることを示した。
抄録全体を表示