本研究では,部位別の気密性能測定より得られた通気量及び隙間特性値を基に,部位別の通気量と隙間特性値を現場で測定する方法の確立を目的としている。前報では,並列に配置されている隙間や開口部の特性値を結合・分離する式を提案し,その有効性を実験的に検証した。これにより外壁に面する部位別の通気量と隙間特性値を現場で把握することが可能となる。一方で,室間の扉周り,空調設備の部位,小屋裏・床下と居室の間の開口など,外壁に面していない部位の特性値を把握することも,建物の性能を評価する上で重要となるが,並列配置の結合・分離式のみでは把握できない場合も多い。そこで,本報では,直列配置の隙間や開口部の特性値を結合・分離する式を提案し,実大試験家屋を用いて提案式の検証を行う。加えて,直列配置で問題となる部位を接続することによる形状抵抗の変化を仮想開口として結合・分離する方法も提案し,模型実験により検討しているので,その結果を示す。
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