本研究では、 風力を利用する自然換気装置の中から、 韓国などの住宅や工場でよく用いられる固定型と回転型を対象に、 これらの自然換気性能を明確にすることを目的とし、 実験により検討を行った。 特に、 換気装置の自然換気性能に影響する換気対象空間の給気口の大きさや周囲障害物の位置と距離についても比較検討を行った。 実験結果から、 両換気装置は外部風速とともに換気量は増加し、 給気口面積が大きいほど換気量はより増加することがわかった。 また、 固定型は正面に、 回転型は正面と右側に障害物があると逆流が生じ、 その距離が近いほど逆流量が多くなることがわかった。
本報では,ルームエアコンを用いた住宅の居室に対して,低Re数型k-ε乱流モデルを用いて,6畳,12畳,20畳の部屋を対象に,冷房時,暖房時,また,ルームエアコンの風量を小,中,大とした場合,吹き出し方向を水平,斜め45°,真下とした場合の定常時の対流熱伝達率について調べ,データベース化への指針を示した。また,低Re数型を用いて得られた室内全体の平均対流熱伝達率を全ての面に与えて熱負荷計算を行った場合と低Re数型の各面の平均対流熱伝達率を各面に与えた場合に対して,低Re数型を用いたルームエアコンの除去熱量(加熱量)と比較すると,平均絶対値誤差は,それぞれ5%,0.4%となった。さらに,熱負荷計算で総合熱伝達率を用いる際には,エアコンの風量を中,吹き出し方向を斜め45°とした場合,6畳,12畳,20畳の部屋に対して, それぞれ,8W/(m2·K),7W/(m2·K),6~7W/(m2·K)が適切であることがわかった。