空気調和・衛生工学会 論文集
Online ISSN : 2424-0486
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43 巻, 257 号
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学術論文
  • 後藤 和恭, 酒井 孝司, 小野 浩己
    2018 年 43 巻 257 号 p. 1-9
    発行日: 2018/08/05
    公開日: 2019/08/05
    ジャーナル フリー

    RANS 乱流モデルを用いた CFD 解析は有力な設計手法の一つとして,実務での適用例が増加している。すべての流れ場において,実用的な解が得られる RANS 乱流モデルは現在のところ存在しないため,流れ場に応じて適切なモデルを選択する必要がある。乱流モデルの予測精度や特性に関する研究は数多く存在するが,強制対流場に対する研究では,Re が小さい室内気流場と完全乱流場の結果に差異がみられる。本研究では吹出し口 Re が異なる室内の軸対称噴流場を対象に,RANS 乱流モデルの精度検証を行った。その結果,Re の小さい流れ場における Realizable k-ε の特性を明らかにし,Re が小さい噴流場では RNG k-ε, SST k-ω が有効であることを示した。

  • 第1報−シミュレーションによる不具合データベース作成と畳み込みニューラルネットワークによる不具合検知・診断
    宮田 翔平, 赤司 泰義, 林 鍾衍, 呉 楊駿, 田中 勝彦, 田中 覚, 桑原 康浩
    2018 年 43 巻 257 号 p. 11-20
    発行日: 2018/08/05
    公開日: 2019/08/05
    ジャーナル フリー

    建築物の熱源システムにおいて,設計性能を発揮できなくなる要因である不具合を明らかにする不具合検知・診断は非常に重要である。本研究は物理モデルと機械学習により熱源システムの不具合検知・診断を行うことを目的とする。本報では未知の不具合を有する熱源システムを対象として,機械学習の一手法である畳み込みニューラルネットワークによる不具合検知・診断を試みた。そのための学習・テストデータとしては,該当システムに対する詳細なシミュレーションにより 6 種類の不具合状態を再現し,適切なラベルをもつように作成されたデータベースを利用した。十分な学習データ量を用いることで高い精度で検知・診断できることを確認した。

技術論文
  • 平澤 和伯, 李 時桓, 浅野 良晴
    2018 年 43 巻 257 号 p. 21-26
    発行日: 2018/08/05
    公開日: 2019/08/05
    ジャーナル フリー

    建物において,熱源システムの設計や熱源機器容量の算定は最大負荷の想定により行われることから,導入後の建物需要に合わせた運用方法の検討を行うことは重要であり,建物設備の運用改善は消費エネルギーの削減に向けた有効な対策の一つである。本研究では,その実施例として研究施設の熱源システムを対象とし,二つの Case において,それぞれの電力消費量,ガス消費量を一次エネルギー消費量原単位に換算し,熱源システムに要求される熱需要との関係について数値解析を用いて調査を行った。また,得られた結果から,要求される熱需要ごとの最適な運用方法の検討,検証を行うことで運用改善に関する有効な知見が得られた。

  • 第1報−病室・院内諸室等における発生件数
    高草木 明, 須藤 美音
    2018 年 43 巻 257 号 p. 27-34
    発行日: 2018/08/05
    公開日: 2019/08/05
    ジャーナル フリー

    著者らは、病院のビルメンテナンスの記録をデータとして故障・不具合について発生件数と修復に要する期間を中心に研究を重ねてきた。本研究は、この一環として某大規模総合病院の給排水衛生設備における故障・不具合について、病室、スタッフコーナー、外来診察室等その他諸室、健康センタ、厨房、厨芥処理室・厨房排水処理装置、ルーチン作業、医療・介護系衛生設備に区分して、それぞれの具体的な故障・不具合内容と記録件数、修復を翌日以降に持越した件数、新規発生件数を調査した。本報では、前4者を主体に結果を示す。残りと平均修復日数に関する分析は次報で扱う。本研究の目的は、建築運用段階からの、設計における衛生設備のアベイラビリティ判断(衛生器具等の設置個数判断)への情報提供、および保全体制等の計画のための基礎資料提供である。

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